大麻グミだの咳止め薬のオーバードーズだのが巷に聞こえ、その道に疎い宇宙人はハテ、と薬物関連の書籍を当たってみる。丸山ゴンザレス繋がりで北芝健という元刑事が数年前に書いた『麻薬捜査の舞台裏』はいろいろ勉強になった。学んだポイントをいくつか抜き出してみよう。
◆日本の大麻は土壌が良いので効きがよく、質の悪い外国産ほど体に悪い。いい酒と同じで、いい大麻は中毒性はあるものの、嘔吐を催さない。…麻薬によってボロボロになる人とならない人がいるが、田代まさしは覚醒剤で見るからにボロボロになった。清原は全然ボロボロになっていない。原因のひとつは純度。純度の高いものは、あまり内臓を傷めない。混ぜ物が多いと田代のようになる。やはり安酒と同じなのだ。
◆マトリの意見では「いい人が大麻をやる」。インテリほど大麻を選び、非インテリほど覚醒剤を打つ。非インテリは人を威圧したがる。それには覚醒剤の方が有利に働くからだ。覚醒剤は気分が高揚するだけでなく男性ホルモンも出るので、暴力的になったり性欲が強まったりすることが知られている。
◆覚醒剤は台所で作れるもの。これを服用して暗記するとスラスラ覚えられるので、米国の学生は試験に使っている。米国の大学は金を積んだり自家製覚醒剤を服用したりして入れるので、本当に学力のある学生が入るところではなくなってきている。なお南米では金を積めば議員にも大統領にもなれるため、コカインマフィアのボスがボリビア大統領になったりできる。ブラジルの大統領職をカネで買おうとしていたのがカルロス・ゴーンだった。
◆薬物のプロは「お酒とタバコは共に薬物であり、酒は政府がお金を取るための薬物だ」と言っている。またマトリは「タバコは覚醒作用、お酒は酩酊作用で、拮抗する2つの薬物だ」と言っており、医者も同意見である。
◆薬物をやっていると体の外見に出る。特に目が輝く。食欲がなくなって痩せて、目がギョロッとする。これは医者も同意見で、歌舞伎町の住人も深夜番組を見ていると「あの目はもう欲しがってる」と気付く。
◆大戦中の1941年に正真正銘の覚醒剤ヒロポンが市販され、以後十年間合法だった。疲労のみならず恐怖心も吹き飛ばす効果があり、軍隊や戦時工場で使われた。…戦後になると日本の警察はまだ(米軍統治下で)拳銃を持たせてもらえない時期があり、米軍と合同でパトロールしていた。しかし一人でパトロールする時は(拳銃もなく)危険なので、薬局でヒロポンを買って打ち、小石をあらゆるポケットに詰めて行く。すると、例えば黒人兵が日本女性を襲おうとしている時に耳を目掛けて石を投げつけると、命中する。そういう実話が伝えられている。
◆欧米の軍関係者は諜報や暗殺、突撃の仕事の前に、カフェインの錠剤を砕いて鼻から吸う。脳が冴えるからだ。つまりカフェインは覚醒剤と類似の効能がある。しかし覚醒剤には習慣性があって体に悪いので、彼らはカフェインを選ぶのだ。
◆薬物使用の後で回復が早いのは大麻で、タバコをやめるより早く済む。覚醒剤は回復が遅く、なかなかやめられない。なお、デブになると体が自衛して薬物をやらなくなるようだ。デブになるのは、体の防御反応の一つで、脂肪細胞から(長寿遺伝子に作用する)ホルモンが出るらしい。それが薬物を退けるのではないか。人間は、薬物による一過性の精神錯乱よりも寿命を選ぶという説がある。最初から小デブではだめだが、薬物をやってから小デブになるとよい。
ふうん。そうなんだ。勉強になるね。他にも、「北朝鮮は国際社会からバッシングを受けると、偽札と覚醒剤を作る習慣がある」とか、「チャイナマフィアが中国共産党の意向を受けて日本へ流入させている各種の違法薬物を、自衛隊が注視している」とか、「戦争と宗教のあるところが麻薬の発祥地である。戦争で怪我をすると薬草としての麻薬で治療した歴史があるし、宗教では向こうの世界と通じるためのトランス状態の導入剤として麻薬が使われた。護摩を焚いて祈祷するという日本の風習も同じだ。酩酊状態を引き起こす大麻は、痛みや悩みを取る作用もあった」とか、歴史に関わる薬物事情が興味深かった。宇宙人は風邪薬も咳止めも多分飲んだことがなく(幼少時は記憶がないから飲んだかもしれない)、そんなものを大量に飲んで日常のストレスを忘れようとする昨今の若者の気持ちが判らない。なぜそんなニセモノの安らぎが欲しいのだ。No.1722で日大アメフト部に防大の棒倒しを推奨したように、安易に快楽を得ようとニセモノに頼るより、ガチのリアルの方が健康的だし、喜びは強く長く心と体に残るのだよ。若人よ、ニセモノを遠ざけるのだ!