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土星の裏側

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宇宙人と呼ばれた人達の診療所

共感覚 (No.034)

知人の一人が、宇宙人が当ブログでも公表しているその関心事――ロシア思想、芸術、音楽、占い、霊能者、能、合気道、整体等について、一人の人間の頭が抱える思想としてそれぞれに脈絡が感じられないというのだが、宇宙人の頭の中ではきれいに連携して相互補完している。土星裏を訪れる皆さんも判りにくいですか。では少し判り易い話題にしてみよう。

前回までやれ霊能者だ超能力者だとかオカルトじみたテーマに触れてきたが、世の中には共感覚者という人種もいる。彼らは一般には脳の障害とされており、五感が混同しているため、ある色を見ると味覚となって甘かったり辛かったりする知覚が生じたり、数字を見るとごつごつ感やつるつる感など触覚につながったり、音を聴くと色を感じるといったもので、一様ではなく、程度によって普通に暮らせたり人里離れた山奥に暮らすしかなかったりし、治療が必要なのか保険がきくのかもよく判らない。
No.025で挙げたスクリャービンは共感覚者である。音を聴くと色が見える「色聴」というタイプの共感覚で、自身が作曲家であることから共感覚を調性に抽出し、色による音階表現を試みた、科学者の実験みたいな作業をしている。彼の場合、単一音そのものより調性によりはっきりした色を感じるようだが、「哲学を音楽で表現」したかった彼はこの音と色との関係に神秘を感じ、作曲と平行して光による色演出の指示を書き残している。今でこそコンサートで演奏者の背後の照明の色や形を変える演出は珍しくもないが、当時はまだ電灯が普及してない時代で、ましてや光に色をつけるなど、発想からしてサーカス小屋のマジックショーまがいであり、音楽評論家からは酷評された。時代を先取りしすぎたのだ。

ところでこの共感覚者は芸術家に多いとされていて、ロシアではスクリャービンの他にリムスキー・コルサコフ、カンディンスキー、ナボコフなどかなり多く、他の国でもリストやムンク、ダ・ヴィンチ等が挙げられており、日本では宮沢賢治が筆頭のようだ。そして驚くべきか、日本人の共感覚者の比率は他国に比べてダントツに多いそうである。宇宙人は日本の知合いの中に一人も共感覚者を確認していないが、例えばスクリャービンのエチュードの楽譜をたどたどと辿って「あ、ここ紫」と思う瞬間があるくらいだから、なんだ自分がそうなのか、と驚いたり、この分だと案外周囲にざらにいそうだと思ったりする。

さて霊感の話に戻るが、算命学の理屈では霊感の強い人間は常に全人口の何%かを占めている。しかしその全員が霊能者として占ったり治療したり迫害されたりしているかといえばそうではない。人間は社会の要求に従ってより生きやすい職業や立場を選ぶので、霊感が不利と見ればそれを隠したり、自ら否定したり無視したりして能力の開発を断念する。結果的にその能力を開花させないまま一生を終える人が、科学を重んじる現代では特に多い。
しかし日本という国は幸か不幸か他国に比べて、霊能者とまでいかないまでも霊感の強い人、くらいなら面白がられたり人気が出たりするお国柄で、少なくとも中世ヨーロッパのように国家権力がすみずみまで魔女狩りをして人間を薪にくべたりはしなかったので、霊感持ちは安心してカミングアウトできる環境にあった。共感覚者を一種の霊感持ちと見做すかどうかは判断が難しいが、仮に同種とするなら日本で確認される共感覚者が多いというのは理にかなっている。他国に少ないわけではなく、その能力を公表してもはばからない風土という意味で、日本に多いのだ。

もっとも、これも算命学の理屈によると、その国の環境で生きるのに不利な宿命の人間は敢えてその国には生まれない、というのがある。人間、生まれるからには寿命をまっとうしたいのだ。寒冷地には寒冷に耐える遺伝子を持った人種が栄え、熱帯には紫外線による皮膚がんを予防する黒い肌の人種が栄えるのと同じ原理だ。不利な遺伝子は淘汰される。迫害されるのがわかっている地域に霊能者は生まれない。そういう意味では、やはり日本に共感覚者や霊感持ちが多いというのは本当かもしれない。

最後にもう一度スクリャービンに戻る。彼は西洋音階の基本であるC音(=ド)を赤だと言っている。しかし同時代のリムスキー・コルサコフは白だと言っている。赤と白ではえらい違いだが、これはつまり共感覚に普遍的な共通項はなく、その共鳴の仕方は個人によって異なるということで、スクリャービンが目指した全宇宙に通ずる「普遍の神秘」は、色聴の理論から言えば成立しないというオチになるのだった。

これでロシア音楽と、霊感と、算命学の、少なくとも3つは繋がりましたね?え?ますます判らない?次はシャーマンと癲癇症を加えようと思うのだが・・・。
by hikada789 | 2011-05-03 22:25 | ロシアの衝撃 | Comments(0)

by 土星裏の宇宙人