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土星の裏側

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宇宙人と呼ばれた人達の診療所

背筋を鍛える (No.136)

No.134で触れた谷川岳肩の小屋の山岳救助スタッフは、元スピードスキーの選手だ。スピードスケートの間違いでは?いや、スピードスキーという競技がちゃんとあり、以前日本にもあったが、近年国内選手の減少によりなくなってしまい、今では国外でしか競技されていない種目だそうだ。スキー競技の中で最もスピードの出る種目で、アルペンのようにカーブせず直進するので、新幹線くらいの速度で滑降というより疾走するらしい。重量を軽くするため防具は付けず、ヘルメットは空気抵抗を減らすための装置であって防護の役目を果たさない。クラッシュすれば大層な怪我につながる恐ろしいスポーツなので、あまりの危険さに練習のできるスキー場が年々減って、とうとうなくなったらしい。スピード狂向けウィンタースポーツは雪国の暴走族御用達だったが、競技人口の減少はそのまま雪国の不良少年の数の減少を表している。日本は平和になったのだ。ちなみに現在、最も危険とされるスキー競技は「ジャンプ」だそうで、往年のスピードスキー選手とジャンプ選手は互いの危険度を指摘して自分の方がマシだと主張するのが常だったが、今やジャンプの天下になった。乱視の宇宙人は高速道路の運転も危ういほど動体視力が弱いのでスピードにときめくことはなく、空中浮遊もジャンプのように発射されるタイプより優雅に魔法のじゅうたんに寝そべる方が性に合っておる。もっとも、モスクワに暮らしたくせにスキーもスケートもやらなかったのは、万一怪我をした場合の当地の医療事情を危惧したからだ。当地では信じられない死に方をする人たちに遭遇したが、病院に行かなければ助かったかもという例は多い。

ところでこの山岳スタッフ、スポーツ選手というだけあって怪我や整体に詳しく、宇宙人は何食わぬ顔で取材を聞きつつ情報を仕入れていた。宇宙人が注目したのは、スキー選手の背筋の発達である。異常なほど鍛えられる反面、腹筋は殆どつかないらしい。その前後の筋肉のアンバランスが整体師を泣かせたそうだ。
武道家の宇宙人は合気道で畳に叩きつけられたり、受け身で転がっては立ち上がりを繰り返すうち、知らぬ間に腹筋が割れるほど鍛えられてしまったが、逆に背筋はほとんどつかず、これまた前後のアンバランスに悩んできた。整体師に背筋を鍛えるにはどうしたらいいか聞いてみても、メタボな人のダイエット程度のトレーニング方法しか教えてもらえず、単なる体質なのかと諦めていたが、スキーの前傾姿勢は、なるほど普段やらないポーズだ。しかも空気抵抗で吹き飛ばされないために振動を極力抑えるから、無理な前傾のまま固まり続ける力を使う。前方からの強風を頭上から背中へ抜けるように逃す姿勢をとると背筋が鍛えられるのか。スキーは無理でもスケートなら都内のスケート場でできるかな。いや、スピードの出る競技は乱視の宇宙人は避けた方がよい。せいぜい自宅でショートトラックのポーズをとって鍛えよう。このポーズは宇宙人が痛めた膝に負荷をかけずに足腰を鍛える重力ストレッチで、片足立ちでかがみ、浮いている足の膝を立っている膝の後ろに当てて数秒間バランスを取るというもの。ショートトラック選手が実際にフォーム練習として実施しているので、素人がやれば相当鍛えられる。頭の位置が低く下がるので、そういえば背筋で支えているわ。そうか、もうちょっと練習時間を増やしてみよう。
特に膝や腰を痛めていない方は、スキーやスケートで背筋を鍛えられますね。試してみて下さい。なお、競技がなくなる前のスピードスキーの某選手は、スピードと風抵抗に慣れる訓練のため、自動車の上に乗って高速道路を走り、捕まったそうです。ボクサーがアタマを殴られすぎておかしくなるのは仕方ないとして、よそのスポーツ選手も総じておバカなのだろうか。
by hikada789 | 2011-11-01 21:17 | 整体の仕組と健康 | Comments(0)

by 土星裏の宇宙人