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土星の裏側

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宇宙人と呼ばれた人達の診療所

平均値を疑う (No.421)

東京へのオリンピック招致に際して、都民にアンケートをとって招致を支持する人のパーセンテージを取ったところ、数か月前の報道では確か70%程度だった。招致プレゼンが佳境に達している今日ではもう少し変わっているかもしれないが、当時能の先生と与太話した時には、我々の周囲には招致支持の知合いは一人もいないのに、本当に70%もの都民が支持しているというのは信じがたい、統計の取り方に問題があるのではないか、いっそガセではとブラブラ語らったものだ。
スカイツリーの集客のために歴史ある業平橋の名をどけてしまう商業主義と教養のなさに青筋を立てる我々は、昭和39年の東京五輪と高度成長期の日本の栄光を同一視し、働いた分だけ見返りがあったおめでたくも稀有な時代の再来を夢想する老人たち=50年前の若者の時代錯誤な浪費癖に批判的であるのだが、それとは別に統計という数字に右へ左へと惑わされる昨今の世情について、宇宙人が一人でブラブラと考えていることはこうだ。

卑近な例を挙げると、糖尿病患者の増加に伴って食事のカロリー計算がよく取沙汰されているが、基準となるのは日本人の男女別の平均摂取カロリーだ。この平均値を大幅に超えない数値内なら医者は良しと請け負うのだが、もう糖尿病が社会に広まって随分経つのに、この10年20年の間に食い続けてブクブク太った肥満体質の男女も、この平均値を取るための一要素として数に入っているわけだよね。そして平均値は古いままでは現状に合わないから毎年なり数年に一度なり更新しているわけだ。そうしたら平均値だってこの20年でかなり上がっているではないか。今日のOKラインと5年前のOKラインではハードルの高さが違うことになる。このまま肥満が増え続けて平均値が上昇すれば、それまで丁度平均値ピッタリだった人は痩せすぎ扱いになるのだが、実際、栄養状態の改善で戦前とは比べ物にならないほど背が伸びた日本人とはいえ、人類としてのサイズは千年前とそう違わないのだから、背の伸びはぼちぼち頭打ち、残された巨大化の道はもっぱら横方向のみということになる。そんな風に横へ横へと伸び続ける値からとった平均値なるものに、一体どれほどの真実、つまり健康を維持するための目安としての役割が果たせるというのだろう。

というわけで宇宙人はカロリーを細かく気にした食事に意義を見出せない。暴飲暴食が寿命を縮めるのは肯定できても、一日10キロや20キロのカロリーの差に注力して平均値に近付いたところで健康への道には繋がらないだろうと思うのだ。まあ武道家の宇宙人は食欲を抑制する精神修行くらいはしてあるし、お蔭で普段の血糖値が異常に低く、健康診断の前日は黒糖キューブをボリボリ食べてわざと血糖値を上げて標準値を叩き出す努力を怠らないくらいだから(低血糖で再検査になっては叶わん)、端から平均的日本人の行動基準を逸脱しているのであるが、これは極端な例としても、平均値とか統計値とかいうのは何だか怪しぞ、という感覚は常に持っていた方が賢明のようです。
カロリーや体重や腰回りくらいならまだしも、巨額の予算が必要な国家的事業に対して、その基準値や予測値は本当ですかと、原発は本当に一番安い買い物でしたかと、疑問でツッコむ習慣が今日の情報氾濫社会では必要だと思います。

かくいう私も、春秋戦国時代に何某かの統計を取って成立したらしい算命学による運勢判断をやっているわけだが、これだって「統計学に近いもの」と予め銘打っており、私自身も100%の信頼を寄せている思想ではないのだ。的中率はせいぜい8-9割だと思ってやっているし、それでも8-9割当たっているなら信頼するに足りると考えているだけである。残りの1-2割については残念ながら算命学も認める「例外」として適応外と判断せざるを得ないのは、否定しません。
お蔭さまで運勢鑑定を依頼された方々からは「概ね」好評を頂き、つまり大筋で当たっているので、その理論に沿って導き出した問題解決策もまた、信頼するに足りると思ってもらえているようです。実際に本人がその解決策を実行して効果が得られたかどうかまではトレースしていないので判りませんが、その提示した解決策でさえも、この世の常識の範囲から逸脱したものではない(=鑑定に依らなくても一般論として通用する助言である)ことは、数千年前の人類と現代の人類の思考や行動にいくらも差がないことからも推測できるのです。

ところで先日、百獣の王を目指しているとかいうスポーツタレントが毎日45分の睡眠しかとらずに人並み以上に健康であることを立証する番組を見た。一日密着して脳波計を付け医者の立会いのもとで計測したら、本当に45分しか寝ていないのに元気一杯だった。「こんな人いませんよ」と医者は呆れていた。脳波からは、彼の睡眠が極端に早く深みに到達できることが見てとれ、短時間でも必要な休息を脳が充分取れているらしいと医者は説明する。彼はびっくり人間なのだろうか。はたまた低血糖でも元気一杯な宇宙人と同じ宇宙人なのだろうか。いやいや、これが人類の多様性というやつである。こういう種類の人類が身近にいると、平均値を細かく云々するのが空しいことにも頷いてもらえるであろう。
by hikada789 | 2013-07-04 14:45 | 宇宙人の鑑定実績 | Comments(0)

by 土星裏の宇宙人