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土星の裏側

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宇宙人と呼ばれた人達の診療所

ブスッ、ブシューッ (No.445)

前回記事を訂正致します。風邪ではありませんでした。固形物どころか水も通らなくなり、いつの間にか喋れなくなった喉は、耳鼻咽喉科で扁桃周囲腫瘍と診断されました。その場で切開手術。ギャーなのだ。
せっかくの経験なので後学までに手術手順を開陳しよう。(痛かったので悔しいのだ。)まず問診と視診と鼻の穴カメラで簡単に病名が判明、「腫瘍を取って、溜まった膿を出します」とだけ医師に言われて看護師たちに引き渡され、専門装置で口腔内を洗浄。その後1本目の点滴が30分。これが終わる10分前にゼリー状の注射器がやってきて喉へ投入。10分間喉をゼリーでひたひたにする(浸透性麻酔である)。これが結構苦しい。咳込んではならんし。

点滴とゼリーが終わったところで医師の所へ戻る。診察台に腰掛けると宇宙人を左右から看護師が固定。専用の噴射機で再度口腔内患部を麻酔。もう一本、同じ場所に注射も入る。「力を抜いて下さい」とかぎ針状の道具を口に突っ込む苫米地英人似の医師。ブスッと刺し、捻るように手首を回す医師。ブシューッと液体が噴出するのを口腔内に感じながら、痛みに耐える宇宙人。本当に麻酔は効いているのか。「ホラ、膿が大量に出てきましたよ、臭いで判るでしょ」と陽気に実況する医師。この状態でどう答えろっていうんだ。だから医者は嫌いなんだ。無神経なんだよ。
心ゆくまで膿をこし出した医師は宇宙人を解放し、次の患者さんへ。口を閉じて悄然と立ち尽くす宇宙人、身振りで口の中の物を吐き出したいと伝える。看護師が手際よくティッシュとビニール袋を手渡す。ティッシュは血まみれになってビニール袋へ押し込まれ、これを何度も繰り返しながら二本目の点滴。寝台に寝ていいと言われたが、仰向けだと呑み込めない唾液が溜まって苦しいので体を起こし、30分は長いので本を取り出して読む。『一度死んでみますか?漫談・メメントモリ』。島田雅彦としりあがり寿の対談本である。なんとこの場に相応しい図書であろう。

しかしこの30分の間に隣から聞こえる患者と医師のやりとりがなかなか面白い。赤ん坊の泣き声なんぞ無神経が身上の医者にしてみれば一番扱いやすい。要するに全く無視である。あやしているのは専ら母親と年配の看護師で、若い看護師さえかまってやらない。確かにかまったところで効果はないのだが。私も痛みの余り、泣き声にしばらく気付かないほどであった。
次に難聴の老人。やはり点滴ルーム行きで、補聴器の電源を外すよう看護師が頼むのだがなかなか聞き取れず、ようやく意思疎通したら「これ外したら何にも聴こえなくなるよ」とまたどうにもならないことを言う。笑いをこらえながら看護師の反応を待つ宇宙人。結局、電源だけ切って点滴が終わったら看護師がつけ直すことで話がついた。あ、隣の様子は見えなかったから、点滴ではなく何か電波障害を起こしやすい精密機械を使っていたのかもしれない。なにしろ宇宙人は出血で朦朧としていたのだよ。
最後は年配の女性。「どうしましたか」と尋ねる医師に、「最近頭がフワーっとして、なんだか暑いせいかしら」と世間話を始めるのを、すかさず医師、「今日はどこを悪くして来たんですか。頭とかの話はここは専門でないので耳とか喉の話をして下さい」とピシャリ。喉の痛みと笑いに堪える宇宙人。クリニックって結構面白いのだな。ちょっと医師に同情する。医者は患者を選べないからねえ。診察を拒否したら罪に問われるそうだし。

こうして30分休憩した宇宙人は処方箋をもらい、明日もう一度経過を見るため来院するよう言われて解放された。お会計でため息をつく宇宙人。この夏は運勢相談依頼が続いて懐に余裕が出ていたのに、まさかこの日に備えて神様が斡旋してくれた仕事だったのだろうか。ワタクシの米・味噌代金が。また節約の日々というわけか。よかろう。ここ3日ほどは食費がゼロだったんだし、梨だけで結構生きていけることも判ったし。水分しか摂っていない割には元気なのだ。今まで病気することがなかったから、これくらいの手術の手間と費用も大体把握できたし、良しとしよう。
扁桃周囲腫瘍の原因については明日聞いてくるけど、寝冷えしたのが原因ではないのかも。どこで種を拾ってきたのやら。皆さんもご注意下さい。
by hikada789 | 2013-08-28 13:47 | 整体の仕組と健康 | Comments(0)

by 土星裏の宇宙人