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土星の裏側

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宇宙人と呼ばれた人達の診療所

知恵を財産にするには (No.507)

正月早々届いた銀行からのメールを開いたら実は詐欺メールで、うっかりクリックしてしまって以来PCのネット画面の点滅カーソルがおかしな図形になった。入力などはしなかったので口座への被害は免れたが、ネットで何か入力する度に目障りな図形を見続けなければならず、方々へ対処法を尋ねている最中、遂に「余話」を販売しているブックサイトへの入力も不能になった。サイトへ問い合わせると、Internet Explorer 11 やWindows 8 を使っているPCに起きている障害だという。我が家はIE11である。詐欺メールをクリックしたことと関係あるのかは不明だが、そのサイトにおけるIE11関連のトラブルは二カ月ほど前から報告されており、また別の友人からは会社でもIE11トラブル続出との報告も寄せられた。世の中そのようであったか。自営業だとすっかり浦島太郎なのだ。
サイトと友人の助言を容れてブラウザを無料のGoogle Chrome というのに替えたら問題は一挙解決。人気のない裏道なのか、ネットの繋がりもずっと速くなった。IEの時は写真や動画のある画面だとちょっと待たないと切り替わらなかったのだ。よく広告などでちらちら動く動画を1ページ目に載せてるHPがあるけど、はっきり言って迷惑なのだ。動画なんぞ目障りだと考えているユーザーは多数いると思うが、世の中は広告業界に頭が上がらないのだ。見たくもない広告を無理やり見させられている人間の、見たくない権利は保証されない世の中なのだ。

ともあれ余話が再開できて良かった。微々たる収入だがこれでも米・味噌購入の足しになる立派な命綱なのだ。余話の掲載サイトを替えるという手も考えたが、図らずもこのパブーは調べた限りでは著作レートが一番高かったことを知った。そうだったのか、世の中に普及している電子書籍の出版サイトは、紙の出版物より著者の取り分が良いとはいえパブーに比べるとずっと劣り、それが主流となっているのだな。余話は本格的な書籍とは言えず、内容的にも高額な値札を付けるわけにはいかないので、購読料を据え置くと著作レートの変動は大きく響く。パブーさんには暫くこのままでお願いしたい。読者の方々もよしなに。

このように人間貧乏をするとあの手この手で状況を打開しようと頭を捻るので、知恵がつくのでした。最近、終戦を知らずに30年間ジャングルに潜伏していた軍人さんが亡くなりましたね。彼が帰国した頃は私はまだ幼児だったので事件をずっと後になって知ったのですが、今回の死亡報道で当時の映像やその後の彼の生き方が紹介され、彼の生きた姿を映像で見ることができた。実にきれいな顔の人でした。歪みがなくて、苦労はしたけど迷いのない日々を送っている人の顔です。そして知恵のある顔でした。ジャングルでの不便な自給生活は知恵を高めてくれたようです。
原始的な生活が知性を減退させる可能性は確かにありますが、この人は兵士ではなく将校ですから元々教育程度が高かった。今どきの高学歴の青年がジャングルで生きられるとは到底思えませんが、当時のインテリ青年にはそれができた。当時と今日では認識されている知恵の種類が違うということです。30年の浦島太郎となった将校は高度成長期の日本人の知恵と価値基準に失望してブラジルへ移住し、その後再び帰国して日本の子供たちに本物の知恵を授ける活動を始めた。自然塾を開いて動物である人間が自然の中で生きるためのサバイバル術を伝授したのだ。

いいな、こういうの。宇宙人も入門したかったよ。西洋式のボーイスカウトとかだと予めロープとかナイフとかが用意されてそうだけど、彼の塾ではきっと山林にあるものでロープやナイフの代わりにするところから学べるのだろう。物理的な人との助け合いも重視していたというから、地震や津波が来ても安心なインフラを整備する前に、個人としての人間力や共同作業における知恵を身につける方が生存には役に立つように思う。
私も書物からの知識の摂取に喜びを感じる方なので、学問や思想など脳内でも完結できる知というものを否定はしないが、そうした知識であっても実践生活において何らかの肯定的な結びつきがあるべきで、そうした現実を透過していない知識は仮に沢山保持していても役に立たないし、自慢にもならないし、そもそも身についた知識とは言えないのだと常々思っていた。つまり自分がものにしてもいないのにどこかで聞いて来た借り物の知識を、あたかも自身の発明の如く賢者ぶってひけらかす輩を軽蔑しており、最近そんな人間がかつて賢かった同級生の中に見られて、自分の交友関係にいたく失望したのであるが、『ダニエル』の著者ウリツカヤがこんなことを言っていたので、幾分慰められた。
「個人的な努力と緊張なしに得られた知識は、死んだ知識にすぎない。自分の頭のフィルターを通したものだけが、財産になるのだ。」
こうしたわけで宇宙人はロシア文学をやめられないのであった。
by hikada789 | 2014-01-20 15:39 | 宇宙人の読書室 | Comments(0)