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土星の裏側

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宇宙人と呼ばれた人達の診療所

珍しい演目です (No.561)

前回補足。ロシア・フェスの開会式で開幕の音楽を奏でていた室内オーケストラとオペラ歌手マクサコワのコラボ演奏会がこの一週間に集中しており、昨日都内で初回のを聴きに行ったのですが、お勧めです。オケはモスクワ・マラジョージヌィ室内オーケストラという名称で、マラジョージヌィとは「若手の」という意味。2003年創立のオケで指揮者以外は20代が中心の若々しい顔ぶれもさることながら、お堅いクラシックからパロディ編曲までとレパートリーの幅が広く、クラシックが苦手な人でもショーとして楽しめます。『のだめカンタービレ』に出てくるようなオケメンバーの肉体パフォーマンスあり、木琴ソリストの瞬間芸に近い超絶技巧演奏あり、バロックとジャズを混合した珍しい曲ありと、高度で堅実な技術に裏打ちされた、しかし通常のクラシックコンサートでは見られない新しい取組みが見どころです。重厚な文化を誇るロシアも世代交代を目論んでいるようです。

またソリストとして演目の半分を担っているマリア・マクサコワの歌声も素晴らしく、近くの席だとその技術の高さや声に対する細かな気配りがよく判り、素人でも驚くほどです。宇宙人は謡をやっていますが、発声方法の違うオペラ式声楽ってここまで鍛えるんだなと研鑽ぶりに驚嘆しました。まだ若いけどこれはもう押し出しの強いロシア女性というやつで、モデルや国会議員もこなしているマルチアーティスト。得意のレパートリーであるカルメンそのままの風貌で、まだ風格のない若い室内オケをぐんぐん引っ張ってます。
(ちなみにこの人はフェスの開会式で自分の出番が終わると歓談しにホールに下りて来たが、あるロシア人男性を捕まえると突然政治家の顔になり、終始眉間にしわを寄せて難しく語らっていた。いろんなのがいるなあ。)

でも宇宙人イチオシの演目はポドガイツという聞き慣れない名前のロシアの現代作曲家が、このオケの団長兼指揮者であるヴォロナ氏のために作曲したという「ヴォロナと室内オーケストラのための音楽(ノクターン)」です。初演は2010年のニューヨークというから大変新しい曲で、バイオリンのソロ部分を指揮者であるヴォロナ氏本人が演奏するというもの。自分のために作ってもらった曲を演奏できるなんて素敵ですね。非常に丁寧な演奏でした。曲も現代音楽ではあるけど旋律が抒情的で捉えやすく、しかしロシアの作曲家なので憂鬱に満ちた美しさがある。こういう曲は他の演奏家や演奏会では採り上げてくれないだろうから、今回の披露は貴重です。都心周辺であと4回同じプログラムの演奏会があるので、興味の湧いた方は是非。

(4)マリヤ・マクサコワとモスクワ・マラジョージヌィ室内オーケストラ演奏会
◆6月4日(水)19時より千葉・京葉銀行文化プラザ音楽ホール。
◆6月5日(木)19時より横浜・関内ホール。
◆6月7日(土)14時より武蔵野市民文化会館小ホール。
◆6月9日(月)19時より埼玉会館小ホール。
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by hikada789 | 2014-06-04 13:05 | ロシアの衝撃 | Comments(0)