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土星の裏側

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宇宙人と呼ばれた人達の診療所

どこかで聞いたような (No.568)

STAP細胞の正体は実はES細胞だったとする証拠として「ES」とラベルに書かれた細胞が小保方氏の研究室で見つかったという。どっかで聞いたことのあるような話だなあと思ったら、あれだ、和歌山の毒入りカレー事件の被告の自宅の台所で見つかったというシロアリ駆除用の砒素。ご丁寧に「シロアリ駆除」とマジック書きされた袋を、たった今台所戸棚から発見しましたとばかりに掲げる捜査官の手元の写真が、証拠差し押さえの決め手として裁判に使われた。以前当ブログで採り上げたが(No.340参照)、「死刑弁護人」という実録映画では毒カレー事件を含む凶悪事件の被告弁護ばかりを請け負っている安田弁護士を取材し、この国の検察、警察、要するに国家権力側の人間が世論に合わせて或いはこれを操作して、都合のいい判決を出すべく証拠を捏造したり検証を怠ったりする癖があることを糾弾していた。シロアリ駆除袋の写真はその判りやすい一例だが、今回のESラベルも、隠さなければならないようなものにわざわざそのまんまの名前を書いてラベル付けするだろうか。論文を偽造しようとするほどの悪知恵の働く人間ならもっとカムフラージュするんじゃないの、と疑いたくなる。皆さんは疑いませんでしたか。悪知恵の働く人間でないと疑わないものでしょうか。

小保方氏が嘘つきなのか誰かのせいで嘘つきにされてしまったのかはまだ判らないが(興味のある方は宿命を占ってみてもいいかも)、最近読んだ森功氏の『なぜ院長は「逃亡犯」にされたのか~見捨てられた原発直下「双葉病院」恐怖の7日間』では、あの3.11で福島第一原発から4.5キロの至近距離に位置していた双葉病院の院長が病院に患者を置き去りにして逃げたという報道が誤報であったことを取材・立証している。え、そうだったの、知らなかったよ。恥知らずな医者もいるものだと当時思ったのは覚えているが、誤報だったの? それってひどくない? いやひどいなんてもんじゃない、というのがこのルポルタージュの主旨なのだが、では一体誰がそんな誤報を流したかを読み進めると、特定の個人の悪意というよりは行政側の杜撰な管理や責任逃れ体質が生んだまずい差配が、高齢で動けない患者たちを避難バスに積み残し、ようやく到着したバスに積んでいる最中にたまたま現場を外していた院長を逃亡犯と誰かが呼び、それが全国紙に広まってしまったということだった。院長はその瞬間以外はずっと患者に寄り添って献身的に介護していたから、無念が泣けるのである。なぜかような善人が非難されて、杜撰な仕事をしていた行政の誰もが責任を問われないのか。

森功氏はこの種の国家権力の横暴を果敢に糾弾するノンフィクション作家で、この他にも『黒い看護婦』、『ヤメ検~司法エリートが利欲に転ぶとき』、『腐った翼~JAL消滅への60年』などタイトル見ただけで怖くなる危ないテーマにズバズバ斬り込み、権力の犠牲者の無念の声を拾い上げている。権力の犠牲者といえばお馴染み佐藤優氏が最近『小説・北方領土交渉』という告白本を出したので読むのが楽しみだが、そのうち森氏は小保方さんあたりに取材に行ったりするかもしれない。理研は素人目にも黒い組織であることが窺い知れるし、巨大な利権といえば6年後の東京五輪は猪瀬前知事の5000万円の入らない黒いカバンから生まれた縁で、黒い話題盛りだくさんな気がする。森氏には今後も活躍してもらいたいが、くれぐれも暗殺されぬよう気を付けられたい。
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by hikada789 | 2014-06-20 13:53 | 宇宙人の読書室 | Comments(0)