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土星の裏側

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宇宙人と呼ばれた人達の診療所

徳川家サイコウ/再興・再考・最高! (No.721)

19代将軍徳川家広氏が面白い。肩書は経済・政治評論家で、この分野の英字論文を和訳する翻訳家ですが、五年程前に刊行された『自分を守る経済学』では、米国で経済を学んだ立場から見た西洋の経済観と、江戸三百年の泰平の世を支えた将軍家の末裔としてのドメスティックな視点が見事に対比され、経済書でありながら歴史書であり、比較文化の書でもあるユニークな分析が炸裂しております。五年前の著書なので、巻末の「自分を守るために何をすべきか」を論じた近未来シミュレーションは、その後の震災やアベノミクスの株価上昇という予期せぬ出来事のため実現しなかったのはご愛嬌としても、それ以外の西洋の富の捉え方と江戸期の日本人の経済観がどれほど違うのか、歴史を辿って明らかにした論理的な筋道に目からウロコです。是非全編読んでほしいですが、お忙しい方のために軽く見繕ってお皿に盛りましょう。ナノダ節と(!)マークは宇宙人のつぶやきです。引用部分は適当に切り貼りしております。

「西洋文明の歴史においては、労働と同じくらい略奪が重要な「経済行為だった」(!)という事実がある。それは彼らの文化の起点である古代ギリシャ・ローマが近隣諸国を襲っては富を奪い、それらの国々の民を奴隷化することで繁栄してきたことに由来する。多くの人が人類最高の知的遺産と考える古代ギリシャ哲学にしても、奴隷動労が生み出した富に支えられたものだった。しかしこうした帝国は最終的には崩壊している。古代ギリシャは古代ローマの軍事力に屈し、負けたギリシャ人の多くはローマ人の奴隷となってローマ富裕層にギリシャ的教養を提供した。一方のローマはやはり軍事力に勝るゲルマン「蛮族」に呑み込まれたが、その敗因はローマ人が略奪を基礎にして高い生活水準を享受していたことにある。生活水準の高い人はそれだけ命の値段が高くなるため兵士としての能力が低下する。かつては強かった軍団も命を懸けて戦うのをためらうようになり、その結果、より貧乏が切実な蛮族の方が勇猛を発揮し、軍事的に圧倒するようになったのである。」

貧乏が切実で命が軽い蛮族アイシルをとっちめたい今日の米軍も、ベトナム戦争からこっち対外戦争での自軍の人的損失に震え上がっているのは、本国アメリカでの生活水準が高レベルに達していることから来る命の出し惜しみが原因なのだ。無人機しか飛ばせないのは、米軍兵士一人でも失おうものなら米国世論が許さないからなのだ。だからアイシルはなかなか潰れないし、実際現地で戦っているのは長年米国に悪魔呼ばわりされてきたイランの特殊部隊なのだ。米国は今後イランに頭が上がらないのだ。上がらないから核開発も進むのだ。近い将来核保有国の地図は塗り替わるのだ。命を惜しむ先進国は、命を惜しまぬ蛮族に征服されるのだ。

「ローマ文明を基礎にゲルマン系蛮族たちの社会が乗っかることで生まれたヨーロッパでは、それまでの歴史的経緯から、労働よりも略奪の方が経済行為として「格が高い」という発想がしっかりと根付いた(!)。労働を行うのは民衆であり、王侯貴族は戦争と、それに付随する略奪行為を専らにするという分業関係である。その後ヨーロッパは(略奪できなかったので)約千年間を低迷し、15世紀の遠洋航海技術を以ってようやく略奪を再開する。コロンブスの新大陸発見に始まるスペインの大征服、つまりインカ・アステカに対する徹底的略奪である。ちなみに同時期の明国も大洋航海術を持っていたが、明国はヨーロッパと違って「豊か」だったので、航海先で略奪する必要はなかった。」

えらいぞ明国。共産中国のしみったれとはエライ違いなのだ。「金持ち喧嘩せず」なのだ。奪うのはいつでも貧乏な野蛮人なのだ!

「スペイン人は新大陸で略奪した金銀を自国に持ち帰ったが、スペイン王室はそのかなりの部分を戦争に投入してしまった上、オランダ・イギリスといった新興海洋勢力がスペインの金銀輸送船を襲って略奪を繰り返した(地獄絵図なのだ!)。つまりよその土地からスペインが奪った金銀を横取りしたオランダとイギリスから、近代資本主義経済が誕生したというわけである(!)。やがてオランダとイギリスは新大陸の北部に人を移住させた。これら英蘭系移民は勤労に価値を見出すキリスト教の「新教徒」ではあったが、彼らは金銀ではなく土地を原住民から奪って耕作するという道を選ぶ。「勤労の基礎に略奪あり」というヨーロッパの不文律に揺るぎはなかった。」

私が欧米人と話をしているとムカムカしてくるのは、こういうレールの上に乗って生きて全く羞じることのない奴らの厚顔ぶりが、宇宙人のアンテナを逆撫でするからなのだな。

「新大陸の富が大きかったので、ヨーロッパの略奪熱はしばらくは満たされていた。しかし17世紀以降再び経済は低迷する(自力で働いて豊かになるっていう発想がマジでないのだな)。略奪したくとも他国を見れば、当時最強を誇ったオスマン・トルコが東に控え、その奥は大国サファヴィー朝ペルシャ、その奥はインドのムガール帝国、更に奥は最富裕国である清と続き、海を越えれば江戸の泰平を享受する日本があった。こうした国々を略奪しようにもヨーロッパは軍事的に歯が立たない。しかし18世紀末に大変化が起こる。当時のイギリスは暖房用の薪を得るために国内の森という森を伐り尽くしており、代わりに臭い煙の出る石炭をやむなく使っていた。しかし石炭を掘り進んだ穴の中が地下水で水浸しになって作業できないという問題が起こり、この水を汲み出すポンプを改良して石炭の火力で動くようにした。ここから石炭を燃やした蒸気の力を操る技術が発展し、やがて蒸気船や蒸気機関車が発明される。化石燃料によるエネルギーが労働を代替する産業革命の到来である。」

だからイギリスの大地は草ばかりでいくらも樹林が残っていないのだな。木を伐ったら植林しなくちゃハゲたままなのだ。しかし怪我の功名とはこのことなのだ。

「この産業革命によって巨大な破壊力・輸送力・生産力を手に入れたヨーロッパは、改めてアジアの富の略奪に乗り出し(やっぱりやることはそれなのね!)、今度は成功する。石炭はやがて石油に代わり、エネルギーが人間の労働の場を奪っていく。つまり19世紀に世界各地で伝統社会を破壊していったのは、資本主義という経済の仕組ではなくエネルギー経済という新たな技術体系だったのだが、もともとヨーロッパの支配層が抱いていた略奪経済の価値観がこのエネルギー経済と結びついたために、現実の資本主義経済は豊かであっても極めて荒々しいものとなった。」

この後、話は江戸時代の日本の経済が、ヨーロッパの略奪経済とは正反対の道を辿ることを論じてくれるのだが、長くなったので今回はこの辺で。宇宙人が欧米嫌いなのは以前から隠してはいないが(ロシアは欧米の範疇外である)、西洋文化を受け入れる前の日本が「略奪」とは無縁の価値基準で回っていた事実を施政者であった徳川家の目線で語られると、宇宙人がどうして生理的に奴らを受け付けないのか理由が明確になり、腸内洗浄したようにスッキリした気分になった。日本は奴らとは違うのだよ。略奪を格が高いなどとは口が裂けても言わないのだよ。どちらの精神が高級かサルでもわかるのだよ。西部邁のじいさんが「もしかしたら、(西洋文化を採り入れた)明治維新は間違いだったかもしれない」とこぼすのも頷けるのだよ。
日本人よ、謙虚なのは結構だが、歴史の経緯を正しく辿って、敬うべき対象を選ぶのだ。白人がいいのは見た目だけなのだ。キリストの誕生以前から根性はねじ曲がって善しとしてきた集団なのだよ。奴らを見倣ってはイカンのだ。古代ギリシャもローマも、略奪した結果崩壊したのだ。このモデルは現代で米国と中国がまっしぐらに踏襲しているのだ。日本は江戸時代を思い出して、崩壊ロードをさっさと下りるのだ!
by hikada789 | 2015-06-19 15:50 | 宇宙人の読書室 | Comments(0)