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土星の裏側

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宇宙人と呼ばれた人達の診療所

7月のロシア関連イベント (No.725)

安倍政権の精神分裂症ぎみ対応のせいで日露関係の発展が阻害されている昨今ですが、夏休みにはボリショイサーカスが例年通りやって来ますし、文化交流は継続中です。奮ってご参加下さい。

(1)ロシア国立交響楽団 チャイコフスキー456
チャイコフスキーの三大交響曲とされる4、5、6番を一挙演奏する、暑気払いどころか疲労倍増しそうなコンサート。爆演型指揮者ポリャンスキー来日初公演です。C席5000円から。
◆7月12日(日)14時開演、横浜みなとみらいホール
◆7月18日(土)14時開演、東京芸術劇場コンサートホール

(2)映画「チャイルド44 森に消えた子供たち」
ロシア映画ではありませんが、2009年あたりにミステリー小説として話題になった作品の映画化。スターリン時代のソ連は自称ユートピアを掲げていた手前「犯罪ゼロ、病人ゼロ」とか笑える統計を平気で出していたが、その陰で起きた猟奇連続殺人がこの歪んだ国家の中でどう扱われたかがよく判る、佐藤優氏も勧める重厚な国家サスペンス。脳天気な西側の役者に圧政に耐えて生きてきたロシア人の苦悩を演じきれるか疑問だが、実話を取り入れているようだし、土星裏の記事に慣れてまさかとは思うがロシアいい国とか勘違いされている読者には、目の醒めるキック効果が期待できるでしょう。恐ろしい国ですよロシアは、今も昔も。でもその恐怖に苦しめられるのはほぼ自国民のみであり、ロシアが国内の不満を逸らすために他国を侮辱したりしたことはない。これが我が国の隣国とは違うところ。7月3日からTOHOシネマ系で公開、その後全国を回ります。

(3)シリア映画「それでも僕は帰る~シリア若者たちが求め続けたふるさと~」
先日スキマ番組「ニュースザップ」に出演した在日シリア人ナジーブ氏が宣伝していたドキュメンタリー映画。ISにめちゃくちゃにされたシリアの現状を市民の目線で語り、ニュースが伝えない素顔のシリアを描く。8月から渋谷アップリンク他で公開予定。
シリア情勢報道は西側先進国の目線に偏っているし、一時期公平性が評価されていたアルジャジーラ放送も最近は政権からの圧力を受けて精彩を欠いているしで、ありのままの現地を取材報道してくれる人がいない、なのでシリア人自ら撮影することにした。ナジーブ氏によれば、先進国は結局自国の損得でしか物を考えられないので、テロ国家ISをどうするかそればかりに注目しているが、シリアの一般人を苦しめているのはISよりもアサド政権であり、死者も政府軍による爆撃の方がISより遥かに多い。ISを討つために周辺国はアサド政権に味方しているが、それはシリア人が一番やってほしくないことなのだという。そんな報道はついぞ聞いたことがなかったので、やはり我々が日々接している情報には相当の偏りがあると認識せねばならない。よく日本の報道が原発事故をはじめ都合の悪いことを隠していると批判されるが、欧米の国際報道も五十歩百歩というわけか。とりあえずこういう映画は見ておくに限る。

ところで母国の窮状に心を痛めるナジーブ氏だが、私はこの人全然知らなくて、いつも見ているスキマ番組なのでたまたま見かけたに過ぎないのだが、上述のような貴重な意見を語ってくれて有難い一方、人間にはまるで共感しなかった。なぜかというと、この人によればシリア人というのは世界各地で活躍している(有能だと言いたいらしい)民族で、スティーブ・ジョブズもシリアの血が入っているとか、その他何とかかんとか並べていた。人口で勝るインド人は世界各国に1000万の移民を出して活躍していると言われているのを引き合いに出し、シリア人はその倍の2000万人を輩出しているぞと鼻で笑う。果たしてそれは自慢することなのか。数が多ければいいというものではないし、そもそも移民をするということは自国を見限って脱出したという意味合いが強い。つまり自国がダメなので移民したのがそんなに自慢なのかと、宇宙人のアンテナはキャッチしたわけだ。
自国をダメにした人々が多く暮らす国、それがシリアであり、今の危機的状況とは合致していると思われるのだが、皆さんはどう解釈されますか。私はロシア文化に馴染んだせいで、国外逃亡した人は意気地がないという感覚がある。ソルジェニーツィンだって長い亡命生活の末に、命の危険が解消された新生ロシアに戻ってきた。母国の役に立つためだ。根性があるなら踏みとどまるなり一時避難の後に帰還するなりして、ダメになった祖国をなんとか立て直そうと奮闘するのが愛国心ではないのか。ナジーブ氏は所詮日本という安全地帯から物を言う意気地のない弱者であり、日本より西洋の影響をより受けたものか、自省よりも自画自賛と他者批判、責任転嫁するのに忙しいようだ。という具合に人間的にはいただけない人物であると認識した宇宙人だが、映画は見てみよう。そこに写し出されたシリア人たちも彼と同じように自省しない体質だったら、それがシリア人の国民性だと結論づけて間違いないし、そのせいで当地の紛争はこの先50年くらい続くと予言もしよう。もしそうでなかったなら、シリアの未来はそう暗いものではないと言えるだろう。
by hikada789 | 2015-06-30 17:24 | ロシアの衝撃 | Comments(0)

by 土星裏の宇宙人