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土星の裏側

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宇宙人と呼ばれた人達の診療所

サラダ大根、サラダかぶ、サラダ… (No.785)

今年の登り納めは山梨県の扇山。1100mちょっとの低山だがさすがに真冬は雪が積もるので、雪の前の今のうちにと中央線を西へ行く。鳥沢駅から徒歩で登り、沢を並走しながら標準タイムの2時間半で登頂。暖かな晴天で富士山もよく見える。更に東へ縦走した後の下山路は何通りかあり、以前は車道沿いに鳥沢駅に戻ったが、今回は二駅東の四方津(しおつ)駅を目指す。時間的にはどちらも大差ない。山腹から見える高速道路を越えて大野貯水池という水辺を廻り込めば、その向こうが四方津駅である。
山道を快適に下る宇宙人。里に下りて車道を伝い、高速道路をまたぐ橋を渡ると、何やら開けた公園に出る。看板に「談合坂サービスエリア上り」とある。これはもしや。整備された芝生の丘を上がると、それはまさしくSA、宇宙人が登山で愛用している高速バスが必ず休憩で停まる馴染みの施設であった。しかも、いつもは早朝か日没後しか見たことがなかったが、まだ日中の早い時間であったため、屋外に設置された産直野菜売場が鋭意営業中であり、新鮮な朝獲れ野菜が廉価かつ選りどり見どりで陳列されている。

普段食べている野菜ならわざわざここで買う必要もないが、見たことのない変わり種に目を惹かれて舐めるように商品ラベルを読み込む宇宙人。まあスーパーでも売ってはいるのだろうが、定番野菜より高いから宇宙人が見向きしなかっただけかもしれない。なになに、サラダ大根、サラダほうれん草…とサラダの枕詞が目につく。黄色い人参に紫の水菜、サラダミックスなるアソートの大袋、そして聞いたことのない名前の菜っ葉たち。これらが100円から150円の百均市状態で宇宙人を誘惑するのである。
先月から1日1食習慣を始めたが、肉食を辞めた代わりに野菜の量が増えている。朝の豆乳ヨーグルトとサラダも定着し、生野菜の味を噛みしめるようになった。茹でずに食べられるほうれん草かあ、と紫がかった菜っ葉を手に取る宇宙人。紫がかった小振りの大根、紫がかったラディッシュではないミニかぶの束、とだんだん重くなってきたのでカゴに入れる。サラダ系は紫色が定番なのだろうか。料理雑誌の表紙になりそうな葉付き人参に始まる色とりどりの根菜類に、国産小麦や古代米など穀物も魅力的。キリがない。なんとか絞ってサラダ系大根、人参、かぶ、ほうれん草、ター菜をレジに運ぶ。だいたい3キロくらいかな。
宇宙人よ、いくら弁当を食って荷物が軽くなっているからといって、ここで大量購入するのは高速道路を車で走るお客だけだぞ。お前はまだ数キロ先の駅まで歩行せねばならぬのに。うむ、ちょっと見通しが甘かった。駅への道は下りだけなのでタカをくくっていたが、結局50分ほども歩かされた。日も暮れてきて、見知らぬ土地をウロつくのは危ないのだ。地元の人に道を訊くにも荷物から野菜がはみ出ていては恰好がつかぬのだ。まるで野菜泥棒なのだ。レシート下さいなのだ。

SAと四方津駅の中間に大野貯水池があり、沿道は桜並木になっているので春は賑わうらしい。扇山は南向きなので雪解けの早さを考えると、桜の季節に来るのがベストかもしれない。その頃には野菜の顔ぶれも変わっておろう。
また以前から謎だった、四方津駅前から北側の山へと昇る巨大な透明パイプの正体も確かめることができた。これはバブル期に誕生した「コモアしおつ」なるモデルタウンへの誘導路で、山の上に築いた区画住宅街と麓の四方津駅とを結ぶためのエレベーター兼エスカレーターをガラスで覆ってできた実用モニュメントなのだった。実際にエレベーターに乗ってみたが、片道3分以上かかった。あまりに長いので退屈しないよう、中にはミニテレビが嵌め込まれNHKを流している。ガラスを通して見える山脈に沈む夕日が美しい。頂上に降り立つとすぐ今どきのスーパーが。住民は麓に下りなくとも買い物はここで足りるというわけだ。イートインスペースもあり、大根の入った荷物を下ろして棒アイスをかじる宇宙人。登山以上に情報の収穫の豊かな一日であった。
談合坂SAは飲食店の充実した人気のSAで、いつからか建物の隣に仮説売場が併設されて、日本各地の人気土産菓子や麺類をランキングにして販売しているし、更にその外側にはやはり流行りのB級グルメスタンドが数軒並んでいる。グルメが気になる方にはお勧めの休憩所です。
by hikada789 | 2015-12-20 16:39 | その他 | Comments(0)

by 土星裏の宇宙人