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土星の裏側

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宇宙人と呼ばれた人達の診療所

演能会のお知らせ (No.817)

当ブログで少し触れた文芸フェスの閉会トークイベントに参加したら、お土産が貰えた。本の購入意欲を刺激する宣伝用チラシの他に何やら固形物が数点入っている。1つはスポンサー企業の試供品シャンプー類。2つ目は革紐と天然木で作ったしおり。3つ目は1600円の値札のついた日本製ノートで、中は読書記録用の印刷が入ったもの。
もはや無添加石鹸にシフトしている宇宙人にこの種の試供品を与えるのは不毛だが、まあ旅行用にでもとっておこう。
天然素材のしおりは嬉しかったが、袋から取り出し自前の文庫本に挟んで判った。木の部分が分厚すぎて使えない。革紐の長さが短くて新書には足りないし、文庫本に挟んでもギリギリなのでカバンにでも入れたら本の上下を痛めてしまうだろう。設計ミスというか、使用者の便宜を無視した作りである。どうやら米国製らしい。売れ残りというわけだ。米国でウケないものが日本でウケようか。木の部分の彫刻に「カワイイ」を出したつもりかもしれんが、実用性がなければカワイくても使ってはもらえない。見た目重視の包装としてこの使えない革紐をひっかけていた台紙の方が、しおりとしては使い勝手が良かったのでこちらを使うことにする。本体の革紐はそうだな、クラフト教室で何かの足しにしよう。
最後の読書記録帳は、これも企画倒れだったのだろうな。1600円もするのに売れ残ったに違いない。しかし日本製ノートはやはり有難い。その辺の外国製と違ってまず紙質がいいから書きやすいのだ。宇宙人は本の中で覚えておきたいフレーズに出会うと専用のミニノートに書き写す習慣が昔からあるので(ここ数回の引用部分はその一部)、ミニサイズだったらなお嬉しかったが、まあ有難く使わせてもらおう。中身の印刷も色が薄いから普通のノートとして使えないことはないし。

無料のイベントでこうしたものが頂けるのは有難いが、食糧のみならず物品も廃棄率が高いらしいなこの国は。以前、一回だけ招待券を頂いて参加したロシア文化フェスの開幕式でもやはり思わぬお土産を貰ったのだが、カンディンスキーの絵柄の鑑賞皿とかチェブラーシカのCDとかが入っていて、いずれもそこそこの値段なのに売れ残りであることが推察された。お皿は殺風景なわが家の数少ない調度品として飾ってあるが、CDは小さなお子さんのいるお家にでもと封を切らないままとってある。しかし子育て中の友人らは誰も欲しがらない。もうCDの時代ではないからね。
そういえば、大盤振る舞いなお土産を用意したイベントもあった。先日東大で行われた世界文学シンポでは、聴衆を最後まで繋ぎとめる工夫として景品を使っていた。パネリストの翻訳書や後援の出版社の関連書籍が当たる番号を予め受付で配布しておき、イベントの最後に当選番号を発表するというもの。もともと読書好きの集まりなので本が欲しい聴衆は最後まで座っていることに。宇宙人も当選を期待していたが見事に外れた。まあ景品を当てにして参加するような催しではないのだが。

景品は出ないが宇宙人の先生が出る演能会のお知らせです。当ブログでお馴染みの内海聡医師が「この狂った世界をマトモにする」方法として提唱している行動には、アレをやめろコレをやめろというものの他に、「本物を大事にし、それに関わる人たちを応援すること」というのがある。その中には消費物品のみならず文化芸術も含まれ、「愚かな芸能界を潰すべく本物の芸術家や音楽家を応援する」ことを推奨している。というわけで能楽堂へのご来場を宇宙人から推奨致します。

(1)金春会定期能
◆日時:平成28年3月13日(日)12時半開演。
◆場所:国立能楽堂(JR千駄ヶ谷駅より徒歩5分)
◆入場料:5,000円
◆演目:能「西王母」、「頼政」、「籠太鼓」、狂言「腰祈」
◆見どころ:先生がシテを務める「頼政」は囃子が豪華キャストになっております。大鼓は人間国宝の亀井忠雄氏に、小鼓は大蔵流家元の大倉源次郎氏。大倉源次郎氏は壮年のイケメンで、この人目当てのお客さんが彼のよく見える場所(囃子の座る席は決まっている)の席をわざわざお求めになるというほど。宇宙人も注目してみよう。諸事情につき宇宙人もあらゆる能舞台をお勧めするわけにはいかないのだが、この辺の事情については直接宇宙人にお尋ね頂くとして、この舞台は当ブログでも安心してお勧め致します。

(2)第九回青翔会(能楽研修発表会)
◆日時:平成28年3月14日(月)13時開演
◆場所:国立能楽堂
◆入場料:700~1500円(全席指定)
◆演目:狂言「魚説法」(和泉流)、舞囃子「高砂」(金春流)、舞囃子「熊坂」(宝生流)、能「東北」(観世流)
◆見どころ:こちらは若手能楽師の研鑽舞台で、ビギナーには眺め易い舞囃子が見れるほか、各流儀が入り混じり、入場料も安く設定されています。本舞台だと寝てしまうかもと躊躇われる方には、まずこの辺りから鑑賞しては如何。
by hikada789 | 2016-03-11 18:23 | 宇宙人の能稽古 | Comments(0)

by 土星裏の宇宙人