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土星の裏側

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宇宙人と呼ばれた人達の診療所

ちゃんとした理由だけど救いはない (No.912)

前回補足。東京大地塾の12月22日の映像を確認したところ、前回の私の記事が大分歯抜けであったことが判明したので、まあ本当に関心のある方は既にオリジナル画像をご覧になったでしょうが、訂正というか、ますますシャレにならない事実を補足します。
佐藤優氏が受けた質問は「ロシアの駐トルコ大使が警備員のトルコ人によって背後から射殺された事件」をどう見るか、というものであり、「アレッポの反政府勢力の移送の話」はその回答の中で出てきた話でした。かいつまむと、1年程前にロシアの軍用機がトルコによって撃墜された時には激怒したプーチンが、なぜ今回の大使射殺に対しては冷静で、トルコ大統領と対テロ撲滅で意見一致を表明したにとどまったのか。この落差について、死んだロシア大使にはとっても気の毒な佐藤氏の分析によれば、アレッポを制圧したアサド政権は、大勢の反政府勢力をひっとらえたが、シリアという国には捕虜を取るという発想がないというところから話が始まる。

皆さんは「アラビアのロレンス」という古典映画をご存知ですか。あの映画の中で血迷ったロレンスが「ノー・プリズナー(捕虜はいらん)!」といって敵方のトルコ軍兵士らを皆殺しにするシーンがあります。要するにあれです。捕虜を取って世話をするというのは西洋の文化であり、大勢の捕虜をお世話するには費用がかかるので、かの地域の貧乏な軍隊ならできるだけやりたくないのであります。貧困は人を野蛮にする。アサドは皆殺しにしたかった。しかしトルコのエルドアンが待ったをかけた。エルドアンは対テロ戦争で欧米と共同歩調をとっていながら、陰でISを支援していると噂される男である。シリアの反政府勢力とISをいっしょくたにしてはいけないのだが、クルド問題を抱えるトルコ大統領としては同じようなものなのだ。だから反政府勢力の皆殺しには断乎反対する。このシリアとトルコの間に入って調整するのがロシアである。皆殺しにすると万単位の人間を殺すことになり、もはや虐殺である。それはまずいとロシアでさえ思っている。では何人までなら妥当なのか。それで「五ケタを超えない数字」というのは、あくまで佐藤氏の推測であり、確かな情報ではなかったことをここに訂正致します。いずれにしても、こんな相談をしていたからプーチンの、安倍さんの待つ山口への到着が3時間遅れたことに違いはないようです。

そして話には続きが。とはいえ五ケタを超えないくらいの人数が殺される事態というのも大事件である。殺される方はたまったものではない。なので同胞の無念を晴らすべく、普段から異教徒であるロシア人の所業に腹を立てていた過激思想の持ち主が、トルコの写真展に忍び込んでロシア大使を射殺した、という道筋につながるのであった。犯人は非番の警備担当者だったという。この身分から、佐藤氏は日本の大津事件を引き合いに出す。
ロシア皇太子ニコライを斬りつけた過激な警備員なら日本にもいたではないか。あの時日本政府はどうしたか。ニコライを手厚く看護しロシアに詫びを入れて事なきを得た。犯人は日本政府に敵対する者として扱われたわけだ。これと同じことをトルコ政府もやったのだ。気の毒に、ロシア大使はニコライのようにケガでは済まずに落命したが、トルコ政府はロシアを敵に回すことはしたくなかったので、その意向をはっきりとプーチンに示し、プーチンも「大使は気の毒だったけど、年金払うし、家族の面倒も見るから我慢してくれと」(佐藤氏の推測談)、大ごとにしなかった。なぜならプーチンは今回の事実上の捕虜虐殺についてトルコが譲歩したことを知っているからである。

更に救いのない話。ロシア大使を射殺した犯人はなぜその場で蜂の巣になって殺されたのか。普通だったらこういう人間は足や肩を狙って生け捕りにし、その背後にいる過激派の動向について心ゆくまでゲロしてもらう方が有益なのだが、なぜ殺してしまうのか。それは「トルコの中にも過激派やISに同情する人間は少なくなく、おそらく軍隊の中にも共鳴者がいるだろうが、そうしたことまでしゃべられては面倒臭いことになる。だから黙ったまま殺したのだ」というのが佐藤氏の分析である。
そうなのだ、決してトルコ人が野蛮だから即射殺したというわけではないのだ。ちゃんと理由があって命令に従ったのだね。でも一般人はそんなこと判らないから、やれトルコは荒っぽい、シリアは残酷だ、という話に帰結してしまう。結果的にイスラム教徒の評判をまたしても下げることになるのである。教養溢れるムスリムと交際のあった宇宙人としては嘆かわしい限りある。

以上が補足であります。気を取り直して年末の話題で締めましょう。今年王者から転落した内山高志のリベンジマッチが年末に組まれていた。よかった、引退してなかったのだね。年齢的にぼちぼち厳しくなっているやもしれぬが、ウチヤマの雄姿で年を越せるのは喜ばしい。かのダイナマイト・パンチは健在であろうか。期待しよう。
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by hikada789 | 2016-12-29 18:31 | ロシアの衝撃 | Comments(0)