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土星の裏側

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宇宙人と呼ばれた人達の診療所

「貢献度」の実態 (No.945)

「貢献度」の実態 (No.945)_b0214800_23474910.jpgレザークラフト業界は協会が統括しており、クラフト技術継承にかかる資格の授与はこの協会が仕切るところである。宇宙人がクラフト教室の講師の先生から聞いた話では、数年のカリキュラムを経て必要技術を修了すれば「教室を開いてよい」という師範の資格が与えられるが、それ以上の地位である「協会理事」に昇格するためには「貢献度」が必要となってくる。貢献度とは何か? それはずばりカネなのだった。
理事ではない講師がため息を吐きながら語るところによると、師範の身分では自ら教室を開いて主宰し、弟子に技術を伝達することは自由だが、その弟子に新たに師範の資格を授けることはできない。授けることができるのは技術だけであり、師範免状は協会理事の協議会で授与の是非が決まる。つまり決定権は理事にしかない。その理事になるための条件はある一定額以上の寄付金を協会に収めることなのだそうだ。金額こそ言わなかったが、講師のため息から容易ならざるアマウントであることが知れるのであった。そしてカネと言ってしまうとみもふたもないので、これを「貢献度」と呼び慣わしているそうな。
うむ、ここにも間違った日本語の用法が。ずばりカネと言えなのだ。恥ずかしいことをしているという自覚があるなら、その行為そのものをやめろなのだ。しかもどこかで似たような話を聞いたような気がする宇宙人なのだ。はて、どこだったであろうなあ(とわざとらしく斜め上を眺める宇宙人)。

「貢献度」の実態 (No.945)_b0214800_23482296.jpgそんなカネがあればもっと作品制作に注ぎ込みたいという講師の先生の姿勢に賛同する宇宙人の最新作、三つ折りメガネケースは画像の通り。これはエルメスだかどこだかの高級ブランドが、かつて粗品として商品購入者に配っていたものから設計を再現したもの。この種の設計型紙は本来著作権がかかるため安易にコピーしてはならぬのだが、近年同じモデル製品が市場に出回り始めたことからもう版権が切れたと判断され、講師の先生が独力で型紙を書き起こし、自分の教室で生徒に伝授しているのであった。
画像では三角錐に自立した形態とその中身しか提示していないが、三角形のマチを折り畳むと平らに潰れ、バネホックで留めて開かないようにできるのだ。折り畳んだ時の厚みは約1cm。携帯用に便利なのだ。メガネのない人にはペンケースにもなる。白い本革の素材は豚革。右端のアップリケは宇宙人オリジナルの笹の葉エンブレム。でもサイズが大きくてフタにかぶってしまった。ご愛嬌。本体はどこも縫わず、接着剤とバネホックだけで制作するが、その代り型紙から正確に革や芯材を切り出さねばならない。薄い革でしか作れず、いっそ布地の方が作りやすい。型紙は先生から伝授されたので、宇宙人も自力で作れるようになってます。ご興味あればお問合せ下さい。
by hikada789 | 2017-04-06 23:48 | その他 | Comments(0)

by 土星裏の宇宙人