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土星の裏側

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宇宙人と呼ばれた人達の診療所

「そうかえん」倍率29倍 (No.989)

宇宙人御用達のリサイクル服屋を久しぶりに覗いたら、もう秋冬物を並べていた。中古とは思えぬ美品が驚異の激安。しかも手足の沢山ある宇宙人にも着られるサイズがズラリ。以前ここで爆買して既に箪笥が一杯だというのに、コートを3着も購入する宇宙人。仕方ない、古い服を処分して箪笥を空けるとしよう。もう20年くらい着てきたからな。
さすがにコートは100円ではなかったので多少の出費となった。しかしこの夏の服装は上下とも100円コーディネイトだったし、夏休みは山暮らしで一銭も使わなかったし、でもマダニ騒動で医療費と交通費の余計な出費があったし、帰宅したらロシア・フェスの関係者招待券が届いていたし、友人からは茶葉と書籍の差入れがあったし、芸術の秋なので能舞台のチケットを買ったし、スポーツの秋なので一度くらいは那須川天心の出場するキックボクシングを見に行こうかと検索を始めるしで、宇宙人の収支は迷走するのであった。世間にはびこる商業主義の思惑に反した経済活動をしてやるのだ。

売り手によって作られた流行に過ぎないファッションやグルメに背を向ける宇宙人は、当然新型スマホや最先端家電にも興味がないし、映画やエンタメも作り物感が鼻について見る気がしない。唯一、那須川君のKOシーン以外で金を払ってでも見たいと思えるのは「そうかえん」である。
この存在は三年前のBSスカパー無料放送で知った。正式名称は富士総合火力演習。自衛隊の実弾を使った演習を一般客に公開するというイベントだ。1966年から毎夏、富士山麓の御殿場で行われているそうである。この模様がBSスカパーで3時間番組として放映されているのだが、別に毎年見ようとしているわけでもないのになぜかここ三年、テレビをつけるとやっているのでつい見てしまう。だってガチなんだよ火力が。演習とはいえ実弾をボンボン撃っては遠方の的に命中し、数秒後に爆音が届くのだよ。このリアリズム。映像では味わえぬ震動も現場に行けば味わえるのであろうな。

安上がりでリアリティを欠くCGにイライラしている宇宙人は、一度きりで再現不能な本物の、一流で爽快な何かを見たいのだ。まあ舞台芸術や生演奏なら手軽に楽しめるが、そうかえんは他に類がない。どうやったら見に行けるのだろうと調べたら、去年の実績でチケット倍率29倍。高嶺の花なのだ。でも宇宙人のように本物・ガチを求めるお客さんがそれほどいるということに勇気付けられるのだ。金儲け目的の作り物に満足している国民ばかりではないのだな。
BSスカパーの無料放送は番組予定がかっちりしてないので、次はいつ放映してくれるか知りようもないが(一昨年は年末に再放送していた)、有料契約すれば事前に判るかも。そうかえんの放送終了後はまた別の無料番組が流れ、最新鋭兵器のバトルシミュレーションのドキュメンタリーだったので引き続き見てしまったよ。「こういう番組をもっと見たかったら契約してね」っていうことらしい。
by hikada789 | 2017-09-15 12:18 | その他 | Comments(0)

by 土星裏の宇宙人