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土星の裏側

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宇宙人と呼ばれた人達の診療所

あの匂いの正体は (No.1092)

上野の東京都美術館で開催中のプーシキン美術館展に行ってきた。プーシキンというのは18世紀に活躍したロシアの国民的詩人で、この人の没後百年を記念して1937年にこの名称になった当美術館の所蔵品が、来日しているということである。名称が変わったのは、革命前は皇帝の名を冠した名称だったから。革命後に改名した地名や施設名は、ソ連崩壊後に革命前の名称に戻されることしばしばであったが、プーシキンは政治とは関係なくロシア人なら誰もが認める文人なので、そのまま名前が残されたのだった。日本でいうところの紫式部みたいなものである。
b0214800_20003926.jpg見どころはネットで検索頂くとして、画像は美術展に設けられたショップで購入したグッズ。ロシアのキリル文字をアルファベット順に並べて絵を添えたクリアファイル、レアな気がしてつい買ってしまった。動物など独特のデフォルメが非常にロシア的。中央の一筆箋は六種類の絵柄が入っていて大変お得。右上のポストカードは拡大すればレザークラフトできないこともなさそうだったので、サンプル用に求めたアンリ・ルソーとゴーギャン。そのうち彫って画像を掲載するかも。ちなみにこの美術館はエルミタージュ同様、西洋絵画のコレクションが豊富なことがウリであり、今回はロシア人画家の作品は来ていないが、それでも十分な眼福である。

しかし何と言っても特筆したいのは、会場の匂いだ。一歩会場に足を踏み入れた瞬間、あっ、モスクワの匂い! なぜだ、どこから。最初油絵の匂いかと思ったが、油絵なら他の美術展だって匂っている。しかしこれはズバリあのモスクワの、空港に降り立った時に最初に嗅ぐ、あの町の匂いなのだった。甦るブラックメモリー。宇宙人が行き来していた頃はソ連崩壊直後の大混乱時代だったから、西側の国で快適さを満喫した後にあの町の空港に降り立つ度に、「ああまた地獄の一丁目に舞い戻ってしまった」と暗澹たる気分におそわれたものだ。モスクワはそんな匂いがしたのだが、二十年経った今もまだ匂っているということだな。
この匂いの成分は一体なんなのだろう。当時は自動車の排ガスの匂いだとか、その汚染された空気を吸い集めた掃除機の匂いだとか、ウォッカによる酔っ払いの匂いだとか、日本人の間でいろいろ議論されたものだが、同じ匂いを別の国で嗅いだことはない。誰かこの匂いの正体を教えてくれなのだ。7月8日までなので、皆さんも是非訪れて絵画と共に匂いを味わって下さい。

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by hikada789 | 2018-06-18 20:17 | ロシアの衝撃 | Comments(0)