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土星の裏側

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宇宙人と呼ばれた人達の診療所

「信じるな」を流行語に (No.1114)

ノーベル賞を受賞した本庶佑教授が、教科書に書いてあることを「容易に信じるな」と言ってくれて嬉しかった。定説や常識を鵜呑みにせず、自分で立証しないうちはそれが真実だとは認めない、という研究姿勢が大業に繋がるのだと。当ブログでも押井守の著書『ひとまず、信じない』をタイトルだけ紹介して中身も読まずに称賛したことがあるが、本庶先生のお蔭でお墨付きを頂いた感じだ。
宇宙人は「自分を信じて」とか軽々しく口にする輩に嫌悪を感じるし、その頭は弱いと常に斬り捨ててきた。老人が詐欺で騙されやすいのは、脳が衰えて難しいことを考える力がなく、疑うことなく信じる方がずっと簡単な作業だからだ、という話も取り上げた。自分で自分の人生をどうするか考えるのが難しいので、占い師に丸投げしてラクをしたがる鑑定依頼者も批判してきた。こうした宇宙人流の取組みがようやく地球人の知性から認められたと感激するのは大袈裟だが、大型の知的権威を背負った賢人の言葉が世に広まるのはノーベル賞受賞くらいしか機会がない。本庶教授が今回のように、「容易に信じる」輩に平手を浴びせる言葉を大声でメディアに発してくれたことで、今後難しいことを考える人間が増えて、その人たちの発言権が高まって、世の中のおかしなルールや低レベルな常識が崩れて住みよくなることを期待しよう。

ところでふと気づいたが、昨今は「中国人」とは言わず「中国の方々」といい、そこから派生して「アジアの方々」とも言うようになっている。しかし「米国の方々」とは言わないし、「ヨーロッパの方々」も聞かない。言うまでもなく「方々」というのは本来敬称だが、「中国の方々」「アジアの方々」と言う時は、その敬称に中にうっすらと軽蔑が込められている。あからさまに軽蔑すると「差別だ」とか批判を受けるので、そうならないよう言葉づらだけ敬称にしている。だからうっすらと、鼻につく。
一方で「アメリカ人」や「フランス人」等は「方々」をつけなくてもぞんざいな呼び方には聞こえない。「〇〇人」と呼び捨てにしても、その人種なり国民なりにそれなりの敬意を払っているから、わざわざ敬称をつける必要はないのである。
言葉づらだけ丁寧にしても、心の中で思っていることは正直に表に出てしまう。それが「方々」という敬称を蔑称に変えつつある。百年後の辞書には「方々」は完全な蔑称になっているやもしれぬ。それとも、そうなる前に我々は中国人を「中国人」と呼んでそれなりの敬意を払える日が来るだろうか。その努力は無論、我々日本語話者ではなく、中国人自身がすべきであるのだが。

どうでしょう、今年の流行語大賞に本庶博士の「信じるな」や、「〇〇の方々」は? 近年の様々な不祥事やセクハラ・パワハラをひっくるめて「カッコわるい」や「みっともない」や「恥を知れ」なんかも流行語になったら、世の中シャキッとするのでは。

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by hikada789 | 2018-10-03 13:56 | その他 | Comments(0)