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土星の裏側

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宇宙人と呼ばれた人達の診療所

「イ〇ポにしてやる!」 (No.1162)

なに、タイトルが下品だ? 失敬な。これはれっきとした学術書に記されていた論文の引用だぞ。No.1151に掲げた『呪われたナターシャ~現代ロシアにおける呪術の民族誌』を読了したが、あまりに面白すぎて付箋を沢山立ててしまい、あれもこれも引用するとかさばるので一点に絞ったところ、タイトルのエピソードが残ることとなった。この民族風俗研究書、あまりに大勢の呪術師、治療師、超能力者が登場するため、逆に普通の人間を見つけることの方が難しいくらいのホニャララ度を誇るのだが、詳細は時間があったら後日紹介するとして、或いはご自分で読んで頂くとして、タイトルのエピソードはこうだ。
ある強力な呪術力を誇る、多くの著書でも名を知られるロシアの女性呪術師(細木数子みたいなのを想像下さい)が、ある日毛皮の帽子を盗まれた。憤慨した呪術師はマスメディアを通じて以下の内容の広告を出す。「もしも一週間以内に私に帽子を返さなかったら、盗んだ奴をイ〇ポにしてやる!」。すると一週間のうちに合計74個もの帽子が彼女の元に送られてきたという。勿論彼女が盗まれた帽子はたった一つなのだが、不能になりたくない帽子泥棒たちは自分のことかもしれぬと、この広告に掲載された呪術師の超常的威力の前に自ら屈したのであった。それほど当地では実力のある呪術師の能力が信用されているということだ。まあ帝政ロシア最後の皇帝ニコライ二世の奥さんも、息子の難病を治療できる怪僧ラスプーチンの神通力を信じた挙句、最終的に一家の破滅とロシア革命を招いたくらいなので、ロシアという国はもともとこういう分野に親和性のある風土だということなのだろう。人類初の宇宙飛行士を宇宙に飛ばし、現在唯一の宇宙船さえ保有している国なのにね。
そんな不思議の国の映画の案内です。

(1)ソクーロフ特集2019
渋谷ユーロスペースでしばしば開催されるソクーロフ・フェアが今年もやってきた。16作品を昼から日替わりで上映。2月23日(土)~3月8日(金)。後半は夜のみ。

(2)第8回死刑映画週間
ロシアとは関係ありませんが、同じくユーロスペースでソクーロフ特集の前週に死刑にまつわる映画特集が組まれてます。比較的新しい作品が並び、『ハンナ・アーレント』も入っているので、ご興味のある方は是非。2月16日(土)~22日(金)。

by hikada789 | 2019-02-17 17:33 | ロシアの衝撃 | Comments(0)

by 土星裏の宇宙人