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土星の裏側

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宇宙人と呼ばれた人達の診療所

文化がなくて窒息する (No.1290)

文化がなくて窒息する (No.1290)_b0214800_22401205.jpgNo.1289で登場頂いた地球人の友人から記事に対する賛同の声が寄せられた。曰く、文化がなくて「窒息しそう」。言いえて妙。土星裏の閲覧者の皆さんはどうですか。本も知的関心もない空間にいて息苦しくはなりませんか。宇宙人は結構な呼吸困難になる。そんな空間に長居するくらいなら周囲を凍らせてでも中座する。だってまず耳が拒絶するのだよ。中身のない会話を延々聞かされていると。まあ『坊ちゃん』状態のここキルギスだけを謗るのは公平でないので、例えば宇宙人が避暑を兼ねて働きに出る日本の山小屋バイトも同じ状況であることは指摘しておこう。実際こういう空間の方が世の中多いとは思う。大多数だとも思う。でもそうでない空間は必ずあるので、窒息体質の人間は賢く立ち回ってこういうコミュニティを確保しておかねばならぬのだ。集団がダメなら個人で何人か確保すべし。幸い宇宙人にはこの友人の他にもロシア語の先生がいるし、もう少し余裕ができればもう一人二人は近くに増やせるとも思う。窒息体質のあなた、待っていてはだめですよ。撃って出ないと。

文化がなくて窒息する (No.1290)_b0214800_22400538.jpg身近に起こった窒息話を披露しよう。職場の校長が日本人教師らの無聊を慰めようと、週末に小旅行を企画してくれた。車で二時間ほどの距離の山間地に校長の親戚が経営している休暇村があって、すぐ近くには学校の分校がある。その分校でチェスの大会をやるので子供たちの引率がてら、日本人をスクールバスに便乗させて休暇村まで往復してくれるという。企画は有難かった。エンタメのない田舎町の日常に退屈していたからだ。画像はその宿の様子で、欧米人観光客を相手にしているだけあって食事や衛生は良かった。ただ敷地内に屋内プールがある他は何もない寒村で、登山を試みるには雪が邪魔になる季節だったため、散歩の他は食っちゃ寝するか、静かに読書するかである。

この小旅行で起こった事件は後述するとして、山好き読書好きの宇宙人が何故ここで窒息したかというと、同行者に問題があったからだ。招聘された日本人は全部で三人だが、宇宙人以外の二人は本も知的文化も不要な人種であった。だから会話の中身は空疎であり、人様に聞かせるほどの意見の一つも持ち合わせておらず、ただその場その場の感想をだらだらと垂れ続けるだけ。これが人の世の会話だと思って生きている人種らしかった。
文化がなくて窒息する (No.1290)_b0214800_22395416.jpgだが宇宙人はそうではない。感想を一つ漏らしたら中身のある意見も加えてほしい。でないと会話のキャッチボールが続かない。感想は単なる主観なので、そこで会話は止まってしまう。会話を長く楽しく継続するためには、意見の交換が必要なのである。しかし脳内に意見が何もない人達にはそれができない。だから幼児のような短い感想の言葉を繰り返すだけである。こういう人たちと一日三食の食卓を囲むのは宇宙人には苦痛であった。そのつまらぬ会話が無害ならまだしも、独りよがりで身勝手な感想に相手が賛同してくれることを期待しているという愚劣さが添付されていたので、尚更聞いていられなかった。どうしたかって? そりゃあいつも通り、宇宙人は無言で土星の冷気を放って周囲を凍らせたさ。

文化がなくて窒息する (No.1290)_b0214800_22394726.jpg加えて思わぬ方向からも不快な人物が現れた。宿の経営者である。校長の親戚で子育て中の中年女性だが、校長と同じく日本語が堪能で日本滞在経験もあるから、今回の三人の日本人のエスコートを担当した。それだけなら感謝してお別れすれば済む話だったが、せっかくなので日本滞在の目的が何であったのかを尋ねてみた。驚くべきことに、なんと結婚目的であったという。キルギスは旧ソ連の中でも最貧国に部類され、不正や賄賂の横行する国内にいても報われないため、能力のある者はさっさと海外に出て活路を見出す。そこには明治初期の有望な日本人が外遊して得た知識を、日本に持ち帰って母国の発展に貢献しようとした類の気概はなく、海外に出たら出たっきり戻るつもりはない。あわよくば滞在先で結婚して便利な国籍に乗り換えよう、そんな魂胆である。話としては聞かないでもなかったが、まさか目の前にいるとは。

しかも恐ろしいことに、こんな本心まで打ち明けた。「最初は日本人男性を探したが、性格が弱いのでやめて、日本にいる英米人に目標を切り替えた。でも結局相手が見つからず帰国して同国人と結婚した」。…結婚ってさあ、そうやってするもんだっけ。愛情だけが結婚の動機の全てだとは思わないが、こんなあからさまな金持ち男目当ての、大して器量のよくない貧乏国の女が、ご都合主義な自分の願望を叶えられると本気で思ってわざわざ来日を? まず鏡を見なよ。次に心の鏡を見なよ。どこに魅力があるのだよ。そんな女と一生を共に暮らしたいなんてどこの国の男が思うのだ。先進国の男を舐めるのも大概にしろ。こんな女は渡航先でカネを使い果たして路頭に迷い、闇金ウシジマくんの世界の住人になっても惜しくはない。それくらい浅はかで不愉快な中身の人物であった。

文化がなくて窒息する (No.1290)_b0214800_22400039.jpgこういう人と上記の二人が中身に大穴の空いた会話というか、感想の応酬を飛び交わせる中で食事をするのはまさに苦行であった。じつに窒息という言葉がふさわしい。どうですか、皆さん。こういう人たちと三日間一緒にいて楽しいと思いますか。土星裏の閲覧者なら判ってくれるよね。くれるといいな。ともあれ画像のような快適そうな田舎の宿も、誰と同席するかで明暗が分かれる。もし宇宙人一人であったなら食堂で適当な外国人と会話して、気が合ったらその後も同席するといういつもの旅スタイルを進めたであろう。勿論最初から話の合う友人と同行できればそれに越したことはない。そうだ、旅を楽しくするのは場所ではない。同行者、同席者なのだ。

by hikada789 | 2020-02-12 22:43 | 宇宙人@キルギス | Comments(0)

by 土星裏の宇宙人