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土星の裏側

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宇宙人と呼ばれた人達の診療所

カテゴリ:その他( 214 )

前回の辛口批評に付け加えると、昨今巷で聞こえるネイティブ日本語は文法のみならず発音もおかしくなっており、滑舌が悪い。まるで舌に障害でもあるかのように舌っ足らずで、特にイ行とウ行を幼児のように一語ずつ発音する幼児発音が耳につく。例を挙げると、小学生をショーガクセーではなく「ショうガくセい」と、英語力をエーゴリョク(小さいク)ではなく「エいゴリョく」と、菊川をキッカワではなく「キくカワ」と、文字通りいちいち母音を利かせる発音で、この種の発音は昔は日本語が下手くそな外国人がやらかしていたが、近年では街中に溢れる機械音声がこれを修正せずに連呼して市民権を広げている。
電話の自動音声案内では並んだ数字を流暢に発音できない機械が未だに幅を利かせているが、思うにこうした技術上流麗にできない機械発音を何度も聞きすぎた若い世代が、これを正しい日本語発音だと勘違いして体得してしまったのではなかろうか。そして前回記事のように、自分に自信が持てない余り外国に憧れる小人たちが、外国人のサル真似の一環として舌っ足らずの日本語を披露して悦に入っていると、こういうわけなのではなかろうか。折しもアンチエイジングたけなわの世相の中で、舌っ足らずの幼稚な発音によって自分を一歳でも若く見せようという浅薄な意図がこれを助長しているのではなかろうか。実にキモチワルイのだ。耳が嫌がって拒否するのだよ。洗練された美しい発音が聴きたいとな。


辛口記事をお好みの読者の皆さんには、こんなところで宜しいでしょうか。何、足りない? ではもう一個お付けしましょう。ここ数日報道番組がトップに取り上げている話題といえば、あおり運転暴行犯の逃亡と逮捕のニュースで、確かに弁解の余地のない悪行であることは宇宙人も認めるが、それを非難する人々の嬉々とした表情と言ったら! そんなに人の凋落が嬉しいのかね。自分とは関係のない人間の非をあげつらうのが楽しいのかね。宇宙人の目には、各人が自分にも日々犯しているこまごました非があることを知りながら、それよりもっと大きくてはっきりした非を犯した他人を誹謗中傷することで、自分の非を隠し、うやむやにし、あたかも自分が正義の代行者であるかのような錯覚に酔いしれているように見えるのだが、土星裏をご覧の皆さんは如何ですか。
そしてこうした報道を何度も繰り返す番組制作側も、この種の批判に時間を割いておけば誰も傷つかなくて済む。視聴者からクレームも来ない。日韓関係の悪化や香港のデモなど、より深刻で継続的で解決の難しい問題をヘタに取り上げてクレーム処理に追われたり、番組存続の危機を招いたりするよりは、悪人相の軽犯罪者の余罪をさらって長期にわたってバッシングしたり、パンダの赤ちゃんの映像でも流していた方が安泰だ。そう思っているのではないかね。


ついでに言うと、日韓関係や日中関係が悪くなると報道が、日本で犯罪を犯した容疑者に「韓国籍の/中国籍の」とか「キム容疑者/劉容疑者」とか付けて出身国を明示する気がするのは宇宙人だけだろうか。両国関係がいい時は「外国籍の男」とか曖昧な表現が続く気がする(ブラジルならブラジル人と、フィリピンならフィリピン人と言うのに)のだが、皆さんはそう思いませんか。宇宙人はキモチワルく感じている。
国同士の関係が良かろうが悪かろうが個人の容疑は別物なのだから、一貫して同じ表現をすれば足りるではないか。誰に配慮して文言を変えているのかね。やっぱりクレームを避けたいとか、自分たちが誰も責任を取らなくていいよう意識すると、言葉もその都度変わるというわけなのかね。でもそれは真実の伝達とは言えないし、大人の態度とも言えぬのだが。厳しい真実を伝える責任を負いたくない幼稚な人間が、アンチエイジングをもてはやし、舌っ足らずの幼児発音を広め、日本語文法破壊を促進しているということなのではないのかね。
今日は朝から気温が低くて過ごしやすかったが、だんだん蒸し暑くなって宇宙人の脳みそも溶解してきたので、辛口記事はこの辺で。皆さんの期待に応えられたかしら。


by hikada789 | 2019-08-20 14:05 | その他 | Comments(0)
ここ数年、研究所をケンキュウショと読み上げる報道などが増えて気持ち悪い。ケンキュウジョが正しいと認識しているが、これはもはや昭和の読みとなったのであろうか。でもケンキュウショといったら書物の研究書のことだろうに、区別がつかんではないか。この種の気持ち悪い読みは他にもある。依存をイゾンではなくイソンと読んだり、既存をキゾンではなくキソンと読んだり。キソンと聞くと真っ先に名誉毀損が思い浮かんで、脳内にネガティブイメージが広まるのだが。

依存や既存は熟語だが、研究所は研究と所を合わせた複合語である。このように複合語の後ろの単語に濁点がつく文法規則を「連濁」と呼ぶ。例えばごみ箱。日本人ならこれをゴミハコとは読むまい。外国人じゃあるまいし。株式会社だってカブシキカイシャと読んだら外国人だよ。日本に生まれ育ったなら、連濁は自然に身について離れるものではない。ではなぜ今日では連濁できない、或いはそれに違和感を感じない日本人が増えているのか。簡単だ、日本語が下手になったからだよ。もっと言ってやるなら、無節操にガイジンに憧れるあまり、英語力を上げるのは難しいものだから、代わりに日本語力を下げてみましたってことかしら。稚拙な日本語を話すことで帰国子女を真似ているつもりか。愚かしい。オマイラ、麻生太郎がミゾウユウと読んだのを笑った口だろうが。b0214800_20230545.jpg

更に驚いたことに、さっきテレビで20代の女タレント(名前は知らん。初めて見た顔。アホ顔として記憶した)が「三敗」をサンハイと言ったよ。言いにくくないのかね。この種の若者たちはもしかして、外国人が日本語を学ぶ際に苦労する「いっぽん、にほん、さんぼん」という物の数え方ももう正しく発音できなくなっているのかね。嘆かわしい限りだ。こんな奴らからは日本国籍を剥奪しろなのだ。

避暑地から帰った宇宙人のブログに毒気が足りなくなったという叱責の声が届いたので、今日は意図して辛口にしてみました。土星裏の宇宙人は暑さに弱いのだ。連日の猛暑で舌尖が鈍ってもやむなしなのだよ。頭が冴えなくて長い文章も書けないし。集中力が要るからね。画像は友人の注文で作った手帳型スマホケース。リールを付けろというので付けた。記事が辛口なので、画像くらいは可愛くしておくよ。

by hikada789 | 2019-08-16 20:23 | その他 | Comments(0)
新しいパソコンが届いた。富士通。日本製。裕福に背を向ける宇宙人にしては奮発したがアウトレット・セール品なのでお値打ちではあった。決め手は軽さ。なんと驚異の700g台。今までのノートパソコンの1/3以下だ。サイズを15インチから13インチに下げたとはいえこの差は何。いざ手にしてみると、もう重量も薄さも紙ノート並みなのだ。ペラい。USBの差込口の厚さはぎりぎりあるが、旧式なわが家のネット有線ケーブルの接続口はもう高さが足りず、ツメを引っ掛けて引き出したジャックを上方へ立ち上げて差し込む方式だ。繊細すぎて壊れそう。まあWi-Fiも出先では使えるので問題ないが、これが今どきのパソコンなのだな。浦島を自覚する宇宙人なのだった。
他にも驚きはあった。それはもう立ち上がりは速いし(顔認証で開くので、ウッカリ席を立っているといつまでも開いてくれない過剰な親切)、ネット接続も速いし、ダウンロードは速いし、シャットダウンも速い。CPUは前PCと同じインテルCore i3 なのだが、ストレージが確かSSDなんとかとかいう奴で、動きが速いとは聞いていたが、これほどとは。というわけで、これで心置きなく仕事ができるようになった。やれやれ。安い買い物ではなかったのだから十年くらいは付き合ってくれよ。

ところで宇宙人は他にも浦島事情を知った。昭和の生まれの宇宙人にとって固定電話といえば加入権問題だ。海外で暮らすなどして固定電話を一時使用停止する場合、NTTが最長十年まで加入権を預かってくれるのだが、これをしないと帰国した時に再度加入権を購入せねばならず、当時は八万円くらいした。預かってもらっても十年を越えると自動的に失効するので、帰国の目処が立たない身分だと痛い出費に。
そういう頭で生きてきたが、昨今はもうNTTの専売ではなくなったため、何万円もする加入権というものは既に存在しないことを知った。再度固定電話を引く場合は、僅かな初期費用だけで済むという。その代り、インターネット接続契約の月額が以前の黒電話時代の電話料金と比較にならないほど上がっているため、加入権収入がなくても業界は儲けられる仕組みのようだ。今や通信会社は林立しているし、競争によって顧客の嫌がる昭和なシステムはとうに消滅していたのであった。なんだ。便利な世の中になったのだな。

宇宙人は未だにガラケーを愛用しているが、これも2022年でサービス終了する。遅かれ早かれスマホへ移行せねばならぬが、その頃にはもっと状況が変わって便利になっているやもしれぬ。でもこんなに軽くて動きも速いPCを手に入れた今、更にスマホを持つ意味って何だ。ガラケーだって緊急の電話とメールしか用はないのに。きっと十年後には更に浦島事情が進んで、宇宙人の頭が追いつかなくなった頃に上手い具合に人間としての寿命が尽きるのやもしれぬな。

by hikada789 | 2019-08-12 10:11 | その他 | Comments(0)
BSテレビの昼の海外ドラマで今『イザベル』というスペイン時代劇をやっているのだが、たまに見ていて気付いたことがある。この時間は以前ロシア時代劇『エカテリーナ(二世)』をやっており、奇しくもどちらも女君主ものなのだが、そこに描かれている「無能な男性君主」に共通の手ごころというか、慰めが見てとれるのだ。
エカテリーナの場合は先帝である夫ピョートルが無能且つ性的不能というのが歴史上の定説で、ドラマでもひ弱な風貌の役者が演じていた。史実ではいつまでも兵隊のオモチャで遊んでいるような幼稚な君主だった、知恵遅れだったかもしれない、とされているのだが、今どきの放送倫理上マイルドな表現にする必要があったものか、「君主としての判断能力や決断力を著しく欠いてはいるが、反面心優しい青年であった」という扱われ方をしていた。
一方イザベルでは、先代の国王は実兄で、やたらと食事のシーンの多い食い意地の張った無能な男として描かれていた。妹イザベルはこの兄のせいで数々の煮え湯を飲まされてきたのだが、しかしその兄が生活習慣病で急死する直前に和解するシーンでは、この無能な兄もまた涙もろい繊細な青年として描かれたのだった。
何となく辻褄が合わない感じがして眉根を寄せる宇宙人。演出家の意図的な作為を感じるのだよ。つまり演出家は男で、同じ男として無能な君主がいたたまれなく、憐憫の情を発してついつい「ホントはいい奴だったんだよ。庶民に生まれていれば問題なかったんだ。許してやってくれよ」的な手ごころを加えたように見受けられたのだ。ロシアとスペイン。一見して共通項はなさそうだが、「男はこうあってほしい。でもダメな奴を責めないでくれ」というマッチョの本音を垣間見る思いがした。もしこれが女性の演出家だったら、こういう表現にはならなかったのではないか。だってエカテリーナもイザベルも、無能な身内君主には心底ひどい仕打ちを受けてきたのだ。有能な女性の立場から見ればダメ男というのは免責事項に当たらないのである。これを許したいのは男だけ。ヨーロッパ共通の男の願望とも思えぬが、両国に挟まったフランスやドイツのマッチョもこういうメンタルなのだろうか。え、日本のマッチョもこうかも? そう?

by hikada789 | 2019-08-10 21:19 | その他 | Comments(0)
b0214800_09134103.jpg尾瀬の燧ケ岳の開山日は7月一週目なので随分遅くまで雪が残っているのだなと思ったら、実際はもっと前から登れる程度に雪解けしているそうである。但し日当たりの悪い西側登山道(見晴起点)は乾いておらず、8月になっても泥道に変わりはないという。見晴に宿をとると距離的には燧ケ岳が圧倒的に近いのだが、こうした理由で宿の人間は、木道の長距離往復が面倒でも至仏山の方が快適だと勧める。快適な山道には人が大勢いる。人ごみを避けたい宇宙人は当然の如く燧ケ岳の悪路を選ぶ。天気は悪くないのだし、登山なんて半ば修行だろう。
確かに泥はやっかいではあったが天気には恵まれ、八合目を過ぎると岩場になって泥からは解放された。7月末は画像の通りシャクナゲの見頃で、山頂付近は満開であった。美しい。頂上からは尾瀬沼ほか周囲360度の山々が見渡せ、泥道を上がってきた甲斐があったと眺めを満喫する宇宙人。

さて下りは尾瀬沼方面へ二通りあり、どちらにしようかと考えながら昼飯を食っていたら、地元の人間とおぼしきおじさんたちが遠来の女子に下山路をアドバイスするのが聞こえてきた。「長英新道を下ろうかと思ってたんですが」「いや長英はつまらなくて長いだけだから、沼尻(尾瀬沼西端)に直下した方がいいよ。沼が見えて面白いし」「でもそっちは急坂だそうですが」「大したことないよ」「泥はどうでしょう。坂道で泥は危ないかも」「泥は長英も同じだよ。絶対風景は直下がいいよ」
b0214800_09142946.jpg宇宙人も長英を下るつもりだったが、俄かに気分が揺れる。しかし沼尻に下りると宿に近いため、尾瀬沼東端へ行く気がなくなるかもしれない。東端にはニッコウキスゲの群生地があり、且つビジターセンター周辺の電波状況が良好であることが分かっている。メールチェックはしたい。キスゲもまだ咲いているか知りたい。結局初心貫徹して長英を下る宇宙人。確かに単調でなだらかな道ではあるが、つまらないとは失礼な。時間をかけて森林浴ができるというものだ。おやじの価値観など当てにはならぬ。とはいえ人気のない道ではあり、登山客とはいくらもすれ違わない。静かな山が好きな宇宙人には願ったりだ。歩き瞑想ができるのだ。

歩き瞑想がてら、山の神と対話する宇宙人。何とはなしに話し掛けるのだが、人間と会話したいのではないし、実際はモノローグにすぎない。梅雨明け前の悪天候続きで、この日の午後も雨の予報であった。早朝から登って2時頃尾瀬沼まで下れればあとは平らな木道なので、この先なら雨になっても難儀はしない。実は午前の泥道から山に話しかけていた宇宙人、山からの返答によれば、山頂に着く頃の天気は晴れだが、宇宙人が日射にやられぬよう雲で影を作ってくれるという。随分好待遇ですね、とモノローグする宇宙人。果たして森林限界へ踏み込むと、晴れて見晴らしがいいのになぜか日陰を歩いている宇宙人。頭上には雲がひときれついて来ている。
b0214800_09153476.jpgそういうこともあるのかな、と下山する宇宙人。森林が戻り、予報通り空が暗くなる。登山道は樹木の傘で雨はしのげるが、ニッコウキスゲは雨なしで楽しみたいなー、とこぼす宇宙人。「ではそのようにしてあげよう」と山の神。画像はその通りの模様。見頃は一週間前だったが、ぎりぎり満開であった。

休憩所で一服していると、ほどなく雨が降り始める。もうここからは木道だけだし、平らだから傘をさせば濡れもしない。逆に雨で木道が適度に濡れた方が靴底にはり付いた泥を落とせる。午前の悪路で泥んこなので、これを洗い場でこそぎ落すのは面倒臭そう。そうだ、木道はずっと小雨くらいがいいな、とつぶやく宇宙人。「了解した」と山の神。えー、本当に小雨が続くよ。まじか。
b0214800_09161117.jpgぼちぼち顔色が変わり始める宇宙人。試しに無茶ぶりしてみる。「宿の洗い場は屋根がないんだよな。靴底の泥は大体落ちたけど、横にこびりついた泥は洗い場で落とすから、宿に着く直前くらいで雨が上がると助かるな」。「お安い御用」と山の神。雨の木道歩行二時間半のあと、森林の先に明るく拓けた宿群地帯が見え始めると、俄かに雨が止み、洗い場までの坂道の水がはけていく様は、まるでモーゼの十戒の海の拓ける如し。雨の上がったばかりの洗い場でちゃぷちゃぷと靴を洗う宇宙人。山の神はまだ近くにいる。というよりそれ以後数日我が身にはり付いていた。何のご縁のあった方かしら。身に覚えがありませんが。「……」無言でニヤつく山の神。以上尾瀬の思い出でした。

by hikada789 | 2019-08-01 09:16 | その他 | Comments(0)
b0214800_11542919.jpg宇宙人は避暑地から戻りました。8月は用事があるので出掛けず、通常営業に戻ります。ちょうど梅雨明けに当たってしまったな。避暑にならなかったような。なお8月後半に再度休業予定なので、運勢鑑定希望の方はお早めにお問合せ下さい。まあパソコンはまだ買い換えていないので、突然の技術的な休業もありえますが。
画像はNo.1211と同じ帝政ロシアの画家ビリービンによる昔話「白いガチョウ」の1シーンを拝借した大型トート。夏前に急いで完成させた。パソコンが入るサイズ。前胴以外はクラフトなし。ところでNo.1211の「イワン王子」、夏休み中にカーテンを引いた自室の本棚に立てかけておいただけなのに、早くも経年変化が進み、王子の肌が小麦色になっていた。白いガチョウの力作もこの調子だとさっさと色が濃くなっていくので、早めに撮影して掲載することにしたよ。

by hikada789 | 2019-07-29 11:54 | その他 | Comments(0)
b0214800_19261799.jpg友人から知恵を借りて何とかネットに進入するまでには至ったが、やはりパソコン自体にバグが多発しており、買い換えないとダメみたい。とほほ。引き続き運勢鑑定は休業して夏休みに入ります。画像はツナギの自作革ブックカバー。オリジナルの絵は帝政ロシアの画家イワン・ビリービン。革が経年変化することを見越して原画よりやや明るめの色を塗った。同じシリーズでパソコンの入るカバンも作ったが、画像を掲載するまで今のパソコンがもつか微妙だ。そして暑さに弱い宇宙人が溶け始めるのももうじきだ。
by hikada789 | 2019-06-27 19:26 | その他 | Comments(0)
b0214800_12560653.jpgこの冬に友人の注文で初作した三折り財布を練習がてら増産したところ、思いがけず需要があり、合計8個のうち7個がユーザーの手に渡った。画像はそのうちの四つ。お世話になった方へ宇宙人から贈呈したものもあるが、購入頂いたものもあった。まあアマチュア製品なので本革にしては安いよ。
革にもいろいろあって制作勝手の良し悪しなども知りたく、ハギレで手に入れたオーストリッチなんぞも使ってみた。ハギレなので特徴のイボイボが途中からなくなってたり面積がいくらも取れなかったりしたが、バイカラーにしたことでオリジナリティも出たので意外と好評であった。でもオーストリッチは巨大とはいえ所詮トリなので、牛に比べればずっと革も薄く、伸びやすくて裏から補強しないと仕上がりに難が出ることを学んだ。オーストリッチの付いたプロの製品だったらもっと高値がつくところだが、土星裏工房はリーズナブルなのだ。

b0214800_12563225.jpgそういえば初作では、コイン室から小銭が飛び出るトラブルが報告され、汗を拭きつつ二作目以降は改良したのだが、後発のユーザーからは「それまで使っていた市販の財布はコイン室から小銭が飛び出して面倒だった。土星裏財布は飛び出ないので愛用している」との感想も得られた。再び汗を拭く宇宙人。改良してて良かった。日々精進なのだ。
初夏の陽気となり土星裏工房もぼちぼち夏期休業に入るので、ご用の方はお早めに。最近は久しぶりにパスケースのご要望があって新作した。お世話になっている方なので贈呈したが、この種の贈呈は意外と喜ばれるので嬉しい。顔の見える相手だと作っていても違和感ないのだが、誰の手に渡るか判らないものを作っていると、あまり心が弾まない。創作とはそういうものなのかもしれない。

by hikada789 | 2019-05-24 13:21 | その他 | Comments(0)
b0214800_17262787.jpg益子陶器市を断念した代わりに、若干近場の笠間陶炎祭(ひまつり)に行ってきた。笠間は益子よりは小規模だが会場が駅から近く、駅前から出ているシャトルバスなら5分で行ける。しかし驚くほどのどかな田園地帯に位置しており、陶器祭の他にも美術館など地域の名所があるというのに、祭期間内は路線バスがシャトルバスに狩り出されたため、他の名所と駅をつなぐ路線バスを運休にするという荒業をやっていた。おかげで気の毒に、陶器祭の前に美術館に寄ろうとしていたご老人らがタクシーを拾う破目に陥っていた。
とはいえ笠間は陶器の街なので、祭会場にも陶器美術館はあるし、県立の陶器美術大学も併設されているから見所は沢山ある。祭会場内は200を超す陶器店舗のほか飲食スペースや音楽ステージ、陶器以外のクラフト店舗、野点テラス、テント場など揃っており、家族連れで休日をすごすようにできている。同時期に開催されている益子の方が有名なせいか、笠間の混雑はそれほどでもなく、人ごみが苦手な宇宙人もほどよく楽しむことができた。上の画像はこの日の戦利品一式。

b0214800_17263418.jpg正午頃に会場入りしたが、結局夕方まで皿選びに終始した。場内地図を片手にとりあえず全店舗を一周し、目を楽しませながらめぼしい店の番号に印をつけると既に1時間半が経過。一服しようと野点会場に赴くと、なんとその場に展示されている茶道用茶碗を自由に選んでその茶碗で抹茶を飲ませてくれるという。味のある趣向なのだ。他にも喫茶をやっている店には、陶器市らしく自作の陶器カップや皿でケーキセットを出す所がいくつかあり、画像はその一つ。土の風味も露わなコーヒードリッパーでのんびりハンドドリップ。梅干しでも入ってそうな蓋付き壺にはコーヒー粉が入っているのだ。趣き深いのだ。ちなみにこの店は会場入口から直進して割とすぐの店で、アイスコーヒーもちゃんと淹れている味がした。他の店は市販のパックのアイスコーヒーの味がしたから、前者の店が絶対おすすめだ。ごついタイプの作風の店だったので陶器類は買わなかったが、せめて宣伝しておこう。しかし多くの店は使い捨てプラカップだったりするから、注文の際はカップを確認した方がいい。せっかく陶器祭なんだから。
飲み物とお菓子で英気を養い、再び会場をめぐる宇宙人。今度は目印をつけた店をめがけて購入を目指す。以前から興味のあった粉引の店が一件あって、店先を行ったり来たりする宇宙人。ちょっとお高めだ。あと少しサイズが合わない。他に印をつけた店に向かい、値段と必要サイズを確認し、思い切って購入する宇宙人。震災以来、半端ものの皿カップで済ませてきたが、これで幾分統一感のある食卓になろう。なんとなく乳白色ばかり選んだのは暑かったせいかもしれない。かわいいな、でこぼこが。

b0214800_17264066.jpgところで日用食器を買いに来たはずの宇宙人は、帰りがけに思わぬ買い物をする。まず会場入口に並んだ陶器以外の店舗で、青森ひばのまな板を買う宇宙人。だってまな板もう真っ黒だし十年以上使っているから、そろそろ替えたかったのだ。サイズもよくお値頃。物すごいひば臭で、さっそくわが家のキッチンは匂いからして抗菌状態なのだ。
しかし何と言っても掘り出し物は、低反発ウレタン座布団だ。陶器大学脇に設営された刑務所作業製品市場で見つけた。ここは常設なのだろうか、それとも陶器イベントに合わせて? 全国各地の刑務所から集めた選りすぐりの囚人製品がずらりと並び、工芸品や家具なんかは丁寧な作りなのに破格のお値段。ちゃんと日本製だよ。囚人は刑期が長いと時間をかけて技術を習得できるから、本格的な職人の腕を持つ者も多いと聞くが、そもそも安いのは工賃がいくらも支払われていないからだ。それでも作ろうという日本の囚人の意欲が、金儲けだけが目的の中国製品の品質を軽く凌駕するのであった。偉いぞ囚人の皆さん。他にも色々魅力的な製品があったが、既に食器とまな板を買って荷物の重い宇宙人は、泣く泣く座布団一枚を選んで会場を後にした。ラベルには甲府刑務所とあり、ファスナー付きカバーはレザーと書いてある。合皮だとしてもウレタンの厚さは5cmほどもあり、縫製も丁寧だ。わが家の座布団も替え時だから有難い。たったの1,010円。値段の付け方がよく判らぬが、よい買い物ができたのだ。陶器祭の帰りしなに是非お立ち寄り下さい。

by hikada789 | 2019-05-04 17:27 | その他 | Comments(0)
b0214800_20493645.jpgグレース・コンチネンタルという鞄ブランドの類似品を作ってくれという友人の注文を受けて、画像のような彫刻入り白鞄が完成した。大変苦労し、また時間もかかったのは、この紙のような白さを追求して色々欲張ったからである。しかしお蔭で誰に見せても驚嘆の声が上がる逸品となった。美しい。まるで売り物のようではないか。年号が替わっても特に変化のなかった宇宙人の周辺で、なんとなく令和の文字を連想させるのが自作カバンというのも可笑しな話だが、もしかしたら今後注文が寄せられるかもしれないので、備忘まで今回の一連の苦労話をつづっておこうと思う。
元ネタとなったグレース・コンチネンタルのモデルにはmaestraとsatchelがあり、それぞれ白バージョンがあるのだが、いずれも彫刻が施されているから、当然彫ってから色を白く加工したと考えられる。白といってもパールホワイトとかなので、こういう色は元の牛革には出せない。何某かの染色加工がしてあるわけだ。しかし革メーカーの加工技術は往々にして企業秘密で、喩え革工芸のプロであってもその技術を真似ることはできない。革道具のお店に行っても「彫ってからパールホワイト」にする塗料など売ってはいないのだ。

ここでミニ知識だが、加工用の牛革というのは肌色をしており、白ではない。本革愛好家の好む経年変化というのは、この肌色が空気に触れることで酸化しゆっくりと茶色へ変化していくことだが、この肌色に染料を入れて色づけするなら、その色ごと経年変化が楽しめる。しかしこの場合、白だけは不可である。もとの地の色が既に肌色なので、これより白くはできないからだ。
どうしても白に塗りたいのならば、染料ではなく顔料(いわゆる絵具)を使えばいいが、染料が革内部へ浸み込むのと違って、顔料は浸み込まずに表面に載るだけである。このため経年変化しないのは勿論、表面の乾燥に伴いやがては割れて剥離する。修理には再び顔料を上から塗ることになるが、そこだけ新品に見えるので鞄全体の風化とのバランスが取れず、ちぐはぐになる。こうしたわけで革工芸愛好家の間では、顔料はあまり歓迎されないのである。鞄なんかに顔料を塗れば、剥離は更に早まるだろう。

b0214800_20495302.jpgさて今回の注文だが、依頼主からは特に手法の指示はなく、ただ白い仕上がりで、且つ彫ってくれというものだった。レザークラフト3年のキャリアの宇宙人が彫ってきたのは無論肌色牛革である。彫ったり塗ったりできるクラフト加工用の革のことをタンローと呼ぶが、タンローをだた彫るだけで何も塗らないというのは、力量が試される。彫刻の不出来を濃い色を塗ってごまかす事ができないからだ。従って、彫刻そのものに緊張を強いられることが予想されたのであるが、これに加えて「白」である。
世の中には脱色した白色タンローというものが存在しており、今回初めて知ったのだが、肌色タンローよりやや高値で売られている。紙のような白さが特徴で、本来はパステルカラーで色づけするために開発されたものらしい。結局これを使用して白さをクリアすることとなったのだが、本当に驚くほど白いのだ。つまり汚れが目立つ。タンローは彫ったり塗ったりした後に仕上げ材を塗ってコーティングするので、完成した暁には汚れを気にせず使えるようになるのだが、問題は制作途中である。何時間もかかる彫刻の最中は手垢だってつくし、指の痕だってつくし、ホコリだって飛んで来る。ちょっと目印にボールペンを転がしただけでもう取れない。そうした汚れを排除しつつ彫り終えろというのも今回の課題であった。彫刻面は鞄の前胴全面と、背胴のワンポイント。彫刻時間はざっと10時間である。手早くやれよ、宇宙人。さっさとコーティングしないと汚れる一方だからな。

そうして彫刻で神経をすり減らした宇宙人に追い打ちをかけたのが、白色タンローである。こいつは脱色によってこういう色をしているのだが、脱色の過程で革自体が固くなる性質があったのだ。そんなことを知らない宇宙人は、コーティングも済んでやれやれと肩の荷を下ろし、何の躊躇もなく持ち手を作るべく二枚の革を接着剤で貼り合わせ、白レースで両サイドを巻いてくれという要望に従いハトメ抜きで穴を空けようとした。ハンマーを振り下ろす宇宙人。ドン。あれ空かない。もう一度ドン。あれまだ空かない。ドンを10回。ようやく空いた。この日は暑かったなあ。この穴、あと何個空けるんだっけ。持ち手は40cmだから合計160cm。ウソ。どうしてこんなに固いのだ。それは脱色したからだよ。
通常、鞄は適正な強度のため厚さ1.5mmの革を使う。従って今回も何の躊躇いもなく1.5mmを買ったのだが、この固さを知っていたら、1.3mmにするのだった。或いはいっそ持ち手は二枚重ねにしなくとも、強度的には問題なかった。まあ裏側をどうするかという問題は残るが、こんなにハンマーでガチで叩き続ける必要はなかったと思われる。試作しないで作るからこうなるのだ。ちなみに、こんな日曜大工みたいな騒音を自宅で上げれば苦情は免れないから、作業はレザー教室で行なった。教室の制限時間は4時間ほどだが、この穴あけだけで3時間近く費やした。なお画像の通り穴あけは持ち手のみならず、本体接合部にも要されたのだが、こちらは一枚ずつ穴を空けたので、労力も騒音も半分以下で済み、自宅でできた。しかしここでも問題が。

b0214800_20495975.jpg持ち手を終えて本体接合まで漕ぎ着ける宇宙人。従来の糸縫いと違って初めてのレース縫いである。波縫いするだけなので時間はかからないはずなのだが、しかしここでも壁が行く手を阻むのであった。レースが穴に通らない。なぜだ。それはレースが太いからだ。今回のレースは市販品ではなく、本体の白色タンローから宇宙人が切り出したものだ。その方が色に統一感が出るからね。しかし5mm幅で93cmもの長さのレースを真っ直ぐカッターで切り出すのは素人には難易度が高く、どうしても太く切れてしまう。それでもちょっとくらい太いなら、革は伸びるので穴を通るはずだったのだが、ここでまた脱色タンローである。固くて伸びない。だから穴を通らない。
いや、穴を一回くぐるだけならどうにか通るのだが、同じ穴を行ったり来たりすると、もうどこにも隙間がないのである。これも試作をしなかったことが仇となり、知っていたらコーナーで二重三重になるような通り道を避ける工夫をしたのだが、しょうがない、もう穴はあけちゃったし、レースは今から細く切ろうとすれば切り口が不揃いになるに違いない。このまま何とか隙間を作ってレースを押し込むしかないのだ。観念してレースをぎゅうぎゅう押し込む宇宙人。こんなに何本も押し込んだら穴が裂けるのではとヒヤヒヤしたが、さすが脱色タンロー、固いお蔭でびくともしなかった。

そんなこんなの汗の結晶がこの通りで、依頼主も満足してくれたので良かったよ。あとは耐久状況を知るべく、ユーザーの後日報告を待つのみである。作業時間は32時間。持ち手の穴あけや本体組立てに余計な時間がかかったので、次回からはもう少し短縮できると思うが、それでも彫刻10時間は変わらないと思う。もし背胴や横マチも彫るということになれば、作業時間は更に伸びる。それは工賃に反映される。
元ネタであるグレース・コンチネンタルが35,000円。宇宙人の白の令和カバンはもっと深く彫ってあるが、彫刻面が少ないので、材料費を入れてもグレースよりは若干安い。皆さん、お気に召したらご注文下さい。

by hikada789 | 2019-05-02 20:50 | その他 | Comments(0)