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土星の裏側

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宇宙人と呼ばれた人達の診療所

カテゴリ:宇宙人の能稽古( 110 )

b0214800_20440438.jpgせっかく10連休のGWだというのに、人ごみを恐れる宇宙人はどこへも出かける予定がない。高い山なら空いてそうだが、高いほど雪が溶けてなくて危険だ。残雪の山には怖い思いをしたことがある。街歩きするならこの時期、益子陶器市を以前から狙っているのだが、東京からの直通バスに乗れないと疲れるだけの旅になりそうで躊躇っている。誰か車を持ってて一緒に行ってくれる地球人はいないかな。でもやっぱり混んでいるのかな。平日に行くべきなのかな。読書やレザークラフトを大人しく自宅でやってた方が快適かな。『算命学余話』のパブーからの移転先もぼちぼち決めないといけないし。皆さん、人ごみに悩まなくて済むお手軽イベントなどあればお知らせを。なお画像は23日に散策した皇居東御苑の二の丸庭園の様子。手入れされたツツジが満開なのだ。入口で荷物チェックがあるが、入場は無料。いい所だなあ。月・金休園なのでご注意を。

素人演能会のお知らせです。GW初日ですが、観覧無料なので参拝がてらご覧下さい。
----------第28回八歩会仕舞発表会----------
◆日時:平成31年4月27日(土)13時~15時半
◆場所:井草八幡宮神楽殿(荻窪駅よりバス10分「井草八幡宮」下車)
◆内容:お弟子による仕舞、連吟
◆入場料:無料。境内につき厳粛に。雨天決行。ベンチあり。
◆宇宙人出没情報:
14時頃から地謡を端っこで謡います。終演後の打上げには参加しませんが、お茶くらいなら有志で行きましょう。

by hikada789 | 2019-04-24 20:48 | 宇宙人の能稽古 | Comments(0)
宇宙人がいま稽古している仕舞は『兼平』という修羅物なのだが、これまで稽古してきた修羅物の中でも飛び抜けてしっくりこない。理由はいくつかある。
まず兼平とは何者なのか。源平の時代の初戦の頃に活躍した木曽義仲の「身内」と詞章にあるのだが、木曽義仲といえば奥さんの巴御前の方が女傑として有名なくらいだ。宇宙人は高校の頃、司馬遼太郎の『義経』で初めて木曽義仲を知ったが、田舎侍として描かれた印象がずっと残っているため、その部下の兼平も雅びなイメージと結びつかない。能の演目になるくらいの人だから大物のはずなのだが。
次に名前だ。詞章に「木曽殿の身内に今井の四郎兼平と名乗り上げて」とあるのだが、この四郎と兼平の間が地ワタシになって泣き別れに聞こえる。ただでさえよく知らない人なのに、名前を真っ二つに割いたら益々誰だかわからぬではないか。
そしてこの仕舞の最大の見どころである立ち回りシーン。「まくり斬り」から「蜘蛛手十文字」斬りという刀使いがあるのだが、合気道有段者である宇宙人には「十文字」に斬る意図がいまいち納得いかない。退がって斬る型なので敵に押し込まれているはずなのだが、足さばきが小幅すぎて危険な気がする。もっと大きく退がるか、刀を強く袈裟に下ろしてさっさと斬り捨てたいのだが、そこまでリアルに演じるほどのヒマはないのであっさり表現しなければならず、稽古では棒立ち感が拭えない。本番まであと一回しか稽古がないのに未だ妙案が浮かばぬ。

というわけで、こんな兼平を宇宙人が演じる素人演能会のお知らせです。
------理春会演能会------
◆日時:平成30年12月9日(日)10時半~18時頃
◆場所:国立能楽堂(JR千駄ヶ谷駅より徒歩5分)
◆内容:辻井八郎師が主催する理春会社中のお弟子による能3番、狂言1番、舞囃子6番、仕舞、連吟、独吟。
◆入場:無料。飲食禁止。撮影禁止。入退場は演目の合間のタイミングでお願いします。
◆宇宙人出没情報:
「今回は宇宙人さんが地謡できる演目がないため、地謡は結構です。その代わり仕舞をやって下さい」と言われたので、たまたま稽古中の『兼平』が当たった。14時半頃出演します。2分くらいです。上述の通り戦闘シーンなので、概ね詞章の文句に合致した動作をします。

by hikada789 | 2018-12-02 20:36 | 宇宙人の能稽古 | Comments(0)
能の謡いには強吟と和吟(弱吟)という二種類がある(呼び方の違いは流派の違い)。和吟はいわゆるドレミファ音階なのでカラオケのできる人には難しくはないのだが、強吟は明確な音階がなく、喩えるならトロンボーンやテルミンのように音程を滑るが如く上がり下がりするので、現代日本人には馴染みが薄く、そう簡単には習得できない。宇宙人も入門時は和吟だけを習い、1年ほど経ってから強吟の稽古を始め、更に1年ほどかかってようやくそれらしい謡いに近付いたのだった。しかし今でも完璧に謡えているという自覚はない。最近は加齢により肺活量が衰えたり高音が出にくくなってきたりしているので、完全な習得に至らぬうちに寿命を迎えるやもしれぬ。こうした特殊な謡い方を習得するには、やはり若年からの修行が欠かせないのであろう。
音楽・楽器の手習いは子供のうちに始めた方が身に付くという一般論は正しいと思う。宇宙人の能始めは三十路過ぎてからだが、幼少の頃にやっていたピアノは、数十年のブランクを経た現在でもそれなりに弾ける。去年購入したカプースチンのジャズ風エチュードの楽譜は、3番に続いて8番を鋭意稽古中。芸術の秋なのだ。
素人仕舞会のお知らせです。

-----第27回八歩会仕舞発表会-----
◆日時:平成30年10月28日(日)13:00~14:20頃
◆場所:井草八幡宮神楽殿(荻窪駅よりバス10分。野外)
◆内容:辻井八郎師のお弟子による仕舞と連吟、独吟
◆宇宙人出没情報:
例によって地謡を端っこで謡います。最近新しい曲がなかなか覚えられない。若い時分にまとめて覚えておいてよかった。有名な曲は使い回しが利くのだよ。終了後、ご希望の方がいれば宇宙人と一緒にお茶に行きましょう。

by hikada789 | 2018-10-23 13:29 | 宇宙人の能稽古 | Comments(0)
『徒然草』第178段より。ある貴族に仕える従者が宮中の神楽を拝見した。帝がお渡りになり、お付きの者が刀を持っていた。それを見た従者たちが「あれは三種の神器の一つの宝剣だ」と言った。すると簾の中から「こういう場合には三種の神器の宝剣ではなく、清涼殿の御剣です」と従者たちの誤りを訂正する声がしたという。その声がしのびやかであったことに筆者(兼好)は感動した。
この段につき、松永貞徳は徒然草の注釈書『なぐさみ草』で、「知ったかぶりをして間違ったことや嘘を話す人物は笑止でみっともない」と記し、その弟子の北村季吟も「自分の専門分野でないことをうっかり口にしてはならないし、話し合ってもならない」と諭している。いずれも、古い伝統を善しとすることは、古い伝統を知らないのに軽々しく文化を論じる人々への批判も含まれる、というエピソードである。

オウム真理教事件の死刑囚が一度に死刑執行された報道を受けて、二十年前の事件を蒸し返す番組をいくつか見かけたが、耳に障るのは「高学歴の人たちがなぜこんな事件を」というセリフだ。自分が高学歴でないことのひがみと、そんな自分でも高学歴の死刑囚に比べれば遥かにマトモだという歪んだ優越感が鼻につく。この種のコメンテイターらが人の役に立つ、有益で創造性に富んだコメントを吐くことはない。そのコメントは、どこかで誰かが言ったもっともらしい発言のコピペであり、澱みなく口から滑り出てくるほど中は空虚である。しかしこうした輩は何もテレビに限らない。我々の周囲にも数多く見受けられる。

その発言が自分の思考を通して出てきたものか余所からの借り物であるかは、その意見に対する反論をぶつけたり、その見解の先を語るよう促すことで容易に判別できる。言葉に詰まったら余所からの借り物だ。或いは、そんなことをするまでもなく、その人物が自分の澱みない意見に対する同意を相手にその場で求めるような話しぶりをする時は、まず間違いなくその言葉にも人物にも中身はない。人が自分の思考を通して話す時は、言葉を選び組み立てるのに多少の時間がかかるはずからだ。そういう習慣のない人間には、相手が思考に時間をかけるという発想さえそもそも持ち合わせていない。
どうですか、いますよねそういう人、結構たくさん。だって、吉田兼好の時代にさえもういたのだから。そしてそうした軽率な発言を当時の「高学歴の人たち」が批判して、その批判を記した書物が今日まで古典として読み継がれているのである。

宇宙人の先生が出演する演能会と、夏休み無料イベントのお知らせです。

(1)座・SQUARE公演~ことほぎの機音・懐古の月光(ひかり)~
◆日時:平成30年7月15日(日)13時開演
◆場所:国立能楽堂 (JR千駄ヶ谷駅より徒歩5分)
◆演目:能「呉服」「融~笏ノ舞」、仕舞「芭蕉」、狂言「苞山伏」
◆入場料:3,000~8,000円

(2)第34回能楽金春祭り
◆日時:平成30年8月1日(水)~7日(火)
◆場所:銀座八丁目金春通り(路上奉納能)、タチカワブランインド銀座スペースオッテ(銀座八丁目8-15。能楽講座・写真展示)
◆内容:毎年この時期に開催している無料イベント。路上奉納能は7日(火)18~19時で、14時から座席指定券を配布。立ち見は自由ですが、近年は人気のためライブ映像も見られるようになってます。能楽講座は連日室内で12~13時、14時~15時半、いずれも30分前より受付開始。
◆小中学生能体験教室:夏休みのお子様向けの1日体験教室だけ抜き出しておきます。保護者の方もご一緒に参加できます。いずれも12~13時。各回10名程度(先着順)。無料ですが白足袋または白い靴下を持参下さい。
・8/1(水)「武将になってみよう」
・8/3(金)「天女になってみよう」
・8/4(土)「武将になってみよう」

by hikada789 | 2018-07-13 09:46 | 宇宙人の能稽古 | Comments(0)
来たる仕舞会の地謡稽古をしていたら、演目の一つである『草紙洗小町』のこんな文句が気になった。

〽大和歌の起こりは あらかねの土にして…

宇宙人「先生、あらかねって何ですか。大和歌の起源を語っているのに、これではせっかくの起源が判りません」
先生「さあ…知らないですねえ」
宇宙人「…お弟子が舞台で披露するというのに、謡う方が知らないでは済みませんよ。あらかねといったら古代製鉄の話くらいしか思い浮かびません。私の手元には平仮名であらかねとあります。漢字が判れば意味が想像できるかも。先生の本ではどう書かれてますか」
先生「こちらも平仮名ですね」
宇宙人「……」(宇宙人の無言の圧力に屈して、注釈付きの謡曲全集をごそごそ取り出す先生)
先生「あ、あった」
宇宙人「よかった、何と書いてありますか」
先生「『あらかねは、土の枕詞』だそうです」
宇宙人「……だめじゃん!(なんで枕詞になったのか語源を知りたいのにー)」

仕方ないので帰宅後ネットで調べたところ、あらかねとは「粗金」で、やはり製鉄が語源であった。鉄製品を作るための原料である粗金が土に埋まっていることから、土にかかる枕詞になったという。また金属を鍛えるために叩く道具である鎚(つち)と土をかけてあるとの説もある。なるほど。これで心迷わず謡えるのだ。

by hikada789 | 2018-04-20 23:09 | 宇宙人の能稽古 | Comments(0)
『角田川』(隅田川)を稽古しているのだが、わが子を探してはるばる京都からやってきた主人公の女が、京では見慣れない白い鳥を隅田川で見て名前を尋ねると、渡守が「沖のカモメ」と答えるくだりがある。ここから、かつて業平が詠んだ「都鳥」のことかしら的な風情溢れる対話が続くのだが、隅田川より更に東の荒川近くに住まう宇宙人ははっとする。この辺りによく見る白いカモメ。それはつまり、ゆりかもめのことですか。「あ、そうですね」との先生の答えに眉を曇らせる宇宙人。なぜならゆりかもめは、都内湾岸の交通機関の名称にさえなっている親しみ深い鳥ではあるが、湾岸周辺の住民にとってはカラスを駆逐するほどの攻撃性を有するギャング鳥だからだ。
といっても人間を襲うことはなく、その凶暴性の矛先は専らカラスである。ゆりかもめはカラスと色こそ正反対だが、集団による連携プレイを得意とする習性はカラスと似ており、カラスと縄張りが重なると激しい敵意をむき出してこれを集団で追っ払うことで知られている。皆さん見たことないですか。全力で逃げるカラスを追っかけ回しているでかいカモメの姿。宇宙人は川べりの遊歩道を散歩中に何度も至近距離でゆりかもめを見ているが、体長はカラスより大きく、態度も大きい。最大の特徴はその凶悪な目つきで、恐竜の末裔らしいガンの垂れ方をする。タコ・クラゲ型の宇宙人は、やつら肉食鳥の標的になりやしないかと足早に脇を通り過ぎるのであるが、あのヤクザな目つきに比べたらカラスの黒いつぶらな瞳など可愛いものだといつも思う。カラスは都市に暮らしてゴミを漁るから嫌われているだけで、同類を攻撃などしないのだ。カラスが雀や鳩を襲っている場面など見たことはない。
世間様は黒いカラスを悪と決めつけ、対照的に白いゆりかもめを善玉扱いしているようだが、見かけで物事を判断してはならぬという教訓がここにある。京の都から来た人には東の里に展開するシビアな生態系など知る由もなかろう。だから呑気に「都鳥」とか詠えるのだ。と思いを馳せながら稽古しております。
演能会のお知らせです。

(1)第四回 辻井八郎之能
◆日時:平成30年4月30日(月・祝)13~16時頃
◆場所:セルリアンタワー能楽堂(渋谷駅より徒歩5分)
◆入場料:6,000~10,000円。(当日券たぶんあります。カンフェティでも購入可)
◆見どころ:宇宙人の先生である辻井八郎師の演能会。今回は能『熊野』ほか、狂言1番と仕舞5番の番組です。仕舞にはちょうど『角田川』の都鳥のくだりが入ってます。

(2)第26回八歩会仕舞発表会
◆日時:平成30年4月21日(土)13~16時頃
◆場所:井草八幡宮神楽殿(荻窪駅よりバス10分)雨天決行。
◆入場:無料
◆見どころ:恒例の辻井師お弟子の素人発表会。宇宙人は地謡を端っこで謡います。なお終了後は、懐の寂しい宇宙人とスーパーのイートインでお茶会ができます。

by hikada789 | 2018-04-13 18:07 | 宇宙人の能稽古 | Comments(0)
宇宙人の能稽古の模様。
宇宙人「(『通小町』の謡稽古の後)あれ、通小町ってこんなに短いんですね」
(※『通小町』は小野小町(ツレ)と深草中将(シテ)の恋バナで、百度参りをしてくれたら付き合ってあげる、という小野小町の課題をこなそうとする健気な男心がテーマ)
先生「そうなんです。前半はツレばかりで、後半のシテは出てきたらすぐ終わっちゃうの」
宇「もっとこの後、シテがごちゃごちゃ恨みツラミを垂れ流すのかと思ってました」
先生「そうね、他の曲だとここらへんでクセとかがダラダラ続いて、時間かかるんだけど」
宇「なんででしょう。あっさりしすぎじゃないですか。通小町って恋患いの男の話じゃないですか。もっと言いたい事いっぱいあるのでは」
先生「男だからじゃないの。女より口数少ないし」
宇「あ、そうか! 男は口下手だからいろいろ言いたくても舌が回らないんだ。女がシテだと言いたい事全部言わなきゃ気が済まない。しかも主題から離れた思い出の風景の話とか延々と語っちゃったりして。その話、どこまで脱線するつもりなのよって。だから三番目物(女がシテの演目)ってどれも長いんだ。いつの時代も女の話は長いんですね」

稽古ではこのような雑談を楽しむことができます。能稽古は小学生からでも始められます。ぜひお子さんのお稽古事に。
by hikada789 | 2017-12-14 19:45 | 宇宙人の能稽古 | Comments(0)
b0214800_1534326.jpg昨日は能の素人会に出場し、無事に演目を終えられた。わが仕舞『熊坂』はあまりやる人がいないのでいまひとつ流れが摑めないまま舞台に臨むこととなったのだが、テンションを上げるために那須川天心の入場曲「止まらないHA~HA」を反芻しながら会場入りし、更に武道の先輩が観覧に来てくれたせいで、本番ではすっかり戦闘モードになってしまい、稽古とは違った緊迫した仕上がりになった気がする。多くの見物人が誉めてくれたが、あの仕舞が果たして能の本質に合致していたかどうかは甚だ疑問である。愛好者の皆さん、どうせ手本にするなら素人ではなく玄人を手本にしましょう。「止まらないHA~HA」がBGMになってる仕舞ってどうなのよ。
画像は弟子仲間が注文してくれたショルダーバッグ。左手の長財布はサイズ比較用に置いた既製品。シンプルなデザインだと綺麗に見えます。能稽古が一段落したので次はレザーだ。
by hikada789 | 2017-12-03 15:23 | 宇宙人の能稽古 | Comments(0)
仕舞が主体の無料で見られる演能会のお知らせです。お能を習ってみようかなとお考えの方にはとっつきやすい、時間の短い演目の並ぶ愛好家の催し。宇宙人も久しぶりに仕舞をやります。ご来場の方は下記の見どころを押さえておくと、何をやっているのか判るかと思います。

(1)早稲田大学能楽連盟秋季公演
◆主催=観世会・金春会・宝生会・下懸宝生会・狂言研究会
◆日時=平成29年11月27日(月)15時開演
◆場所=早稲田大学 大隈大講堂
◆内容=愛好家による素謡、連吟、仕舞、狂言、舞囃子「箙」、能「船弁慶」
◆入場料=無料。入退場自由。

(2)理春会錬成会
◆主催=理春会(辻井八郎師主宰)
◆日時=平成29年12月2日(土)12時半~16時頃
◆場所=セルリアンタワー能楽堂 (渋谷駅より徒歩5分。地下2階)
◆内容=理春会社中のお弟子による素人発表会
◆入場料=無料。入退場自由。撮影禁止。
◆宇宙人出没情報:
仕舞「熊坂」に出場します。長刀(なぎなた)を振り回す変わり種で、5分くらいと仕舞としては長め。通常の稽古では扇を持つだけなので場所を選ばないが、長刀は2mほどもあり振りかぶると天井を傷つけるため、現在は天井の高い場所を借りて稽古中。
あらすじは、牛若丸(後の源義経)を連れて奥州へ向かう吉次一行の寝こみを襲って盗賊行為を働こうとした熊坂ギャング団が、少年と思って甘く見ていた牛若丸に返り討ちに遭い、最後に残った熊坂も奮闘の末斬り捨てられるというもの。つまり負け試合を熊坂一人で、熊坂自身と牛若丸との二役を同時に演じる、能ならではの無理のある演出です。だから判りにくいのだ。
仕舞は写実的に戦闘シーンを描写するので、詞章を聴きながらフリを見れば大体わかります。
「機嫌はよきぞ、はや入れと~」野郎どもいざ、押し入るぞ。おう!でスタート。
「みな我さきにと松明を、投げ込み投げ込み乱れ入る」松明をボンボン投げる動作をします。
「然れども牛若子、少し恐るる気色なく、小太刀を抜いて渡り合い~」小太刀を抜いた牛若が戦っているのだが、仕舞は小太刀ではなく長刀を振り回すのである。仕方ないよ、小道具は長刀一本なんだから。
「おもてに進む十三人、同じ枕に切り伏せられ~」熊坂の子分13人がここで牛若に一掃される。
「討つはいかさま鬼かみか、人間にてはよもあらじ。盗みも命のあれてこそ~」熊坂は自分だけ逃げようかと思う。悪事を為すにも命あってこそだよねえ。
「熊坂飛術を振るうならば、いかなる天魔鬼神なりとも、宙につかんで微塵になし~」いやいや、やっぱりオレ様の方が強いよ、と思い直して死んだ子分たちの敵討ちに向かう。
「例の長刀引きそばめ、折妻戸を小楯にとって、かの小男を狙いけり」ここから熊坂VS牛若丸の一騎打ちが始まります。詞章に合わせてどんどん動くので、詳細は現場でお確かめを。
「とび上がって、そのまま見えず、形も失せて~」牛若丸は八艘飛びのはしりをやった模様。
「思いもよらぬ後ろより、具足のすき間を丁ど斬れば~」消えた牛若丸に後ろから斬られて熊坂ガックリ。仕舞はこの場面で終了しますが、能ではこの後熊坂が素手で立ち回り、最後は失血死。

なお熊坂はこの時60歳を超えているので、立ち回りもシャキシャキやるなと指導を受けているが、そんな演技をしている余裕はないので、宇宙人は宇宙人のMAXで演じます。宇宙人は合気道有段者なので、相手が持つ長い武器を奪うための技は知っているが、自分が長物を振り回す稽古はしていない。せいぜい木剣くらいしか振ったことはなく、徒手空拳の重心の取り方が身に染みついているため、どうも長刀の構えがしっくり来ない。すごく隙だらけな感じがして、はやく次の動作に移行して安心したいのだ。なので重厚感ある老武者の動きにはほど遠い出来になると思います。その辺りもお笑い下さい。
by hikada789 | 2017-11-26 18:36 | 宇宙人の能稽古 | Comments(0)
能稽古の終わりに先生が「宇宙人さん、英語は得意ですか」と訊くので何事かと思ったら、能楽協会が募集している英作文コンクールの応募数がたった二件しか来てないので、何とか増やしたいという。締切は11月2日だそうだ。一カ月ないではないか。テーマは「能楽の国際化」でワード数は500-700程度。普段『算命学余話』を日本語5000字程度で書き続けている宇宙人にとって難しい分量ではないが、露文と違って英文を読み込んだ経験がないのでレトリックに自信がない。ネイティブチェックを入れてくれる知人もいないし。いやネイティブチェックを入れたら反則になるのかな。まあ賞金が出るわけでもないし、なにしろ現状二件しか応募がないのだから、内容二の次で数だけ増やせればいいのかも。というわけで皆さんもチャレンジしませんか。能楽の国際化のために貢献できるアイデアを書けばいいみたいだし、タイプ打ちのメール送信なので手間いらず。詳細は能楽協会HPをご覧ください。

宇宙人は自分が稽古をしているから、実践者としてのお勧めならいくらでもできる。しかし能楽を見に来てくれという宣伝はなかなか筆が進まない。宇宙人だってそうちょいちょい見に行っているわけではないからね。たまに行っても居眠りしてるし。近頃思うのだが、芸術なり芸能なりって、結局やってる本人が一番楽しいんだよね。人がやってるのを見てるだけで本当に楽しいですか。宇宙人は楽しくないので、素人舞台では地謡をやりたがるし、ピアノだって楽譜を手に入れて自分で弾こうとする。
ニコライ・カプースチンの楽譜をとうとう買ってしまった。「8つの演奏会用エチュード(作品40)」の輸入版。お目当ては8曲のうちの第3番「トッカティーナ」で、この曲だけの別売りもあったが、数ページで二千円くらいなので思い切って全8曲の方にした。シャープが1個しかついてないので譜面読みはラクである(ラフマニノフやスクリャービンの楽曲はシャープやフラットが5つも6つも並んでいてイライラするのだ)。サビの部分はなんとか弾けるぞ。ひゃっほう、ああ楽しい。しかし財布には痛かった。クラシックの古い楽曲なら無料ダウンロードサイトで引き出すだけで済むのだが、カプースチンはまだ存命で、版権が切れるのもまだまだ先だから定価で買わねばならぬ。しかも輸入品だから割高だ。幸い土星裏の読者から扇袋の注文を受けたので、臨時収入で購入させて頂いた。有難いことでございます。カプースチンの収入にもつながってまた新たな傑作を作ってくれるかもしれない。意義ある出費であった。
by hikada789 | 2017-10-19 09:47 | 宇宙人の能稽古 | Comments(0)