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土星の裏側

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宇宙人と呼ばれた人達の診療所

今年の五月は令和改元の影響か、例年に比べて母の日の影が薄かったように思う。カーネーションよりも令和グッズの方が店頭に幅を利かせていたせいかもしれない。母の日も所詮は経済効果なのだ。改元のインパクトの去った六月現在、父の日の印象は更に薄い。もともと決まった花を贈るでもなくプレゼントはばらけているし、男性向けグッズがそもそも地味だ。父親が鬼籍に入って久しい宇宙人はこのイベントはスルーするのが常であったが、友人から父の日向けの革カバンの注文を受けたので、せっせと仕立てて画像のようなショルダーバッグを完成させた。贈り物だというし、試作しないで作ったから緊張した。肩紐の調節具はギボシと言って、金属製の突起に革の切れ込みを差し込んで固定させるという、革ならではの渋いアイテム。初めての使用に緊張する宇宙人。切れ込みの位置を間違えたら使い物にならないからね。よかった、ちゃんと嵌まったのだ。コの字型のファスナーもちゃんと動くし。
b0214800_11470584.jpgしかし問題はファスナーつまみを本体と同じ革で作ってくれという注文だ。なに、作るのは簡単だが、差し替えるのが難しいのだ。もともと付いている玉付きつまみを外して、革帯を付けたDカンを差入れるだけなのだが、ペンチで隙間を引き起こすのに力が要る。慣れている人は数秒でやってのけるのだが、宇宙人は一度も成功した試しがない。これをカバン制作作業前に行うといつまで経っても制作に取り掛かれないため、本体を完成させてから差し替える段取りにしたが、やっぱり成功しない。もう納品日だ。だからそのまま納品した。指の力の強い人に差し替えてもらって下さいなのだ。ひどい革工房である。仕方がないのだ。もう暑くて休業の時期なのだ。暑さで頭が溶解気味のため、本体も全然違うところを縫い合わせて、慌ててほどいたりしていたのだよ。そんなわけで土星裏革工房は夏期休業に入ります。ついでに運勢鑑定もぼちぼち夏期休業に入りますので、ご依頼の際はご注意下さい。

そんな父の日は、上野の国際子ども図書館で開催中の「詩と伝説の国イランの子どもの本」展を見に行った。イランの絵本事情についての講演会もあるというので興味本位で聴いてみたが、なかなか良かった。というのも、当ブログでも紹介しているように、イランはイスラム圏の国々の中でもアケメネス朝の時代から文化の洗練された文明国で、遊牧民のトルコやアラブと違って都市文明の民族であるから、定住地で腰を据えて発達させた工芸や活字に対するこだわりが強い。軍人よりも文人を重んじ、モテる男女はインテリ度が高いのが条件だ。すると識字率も高くなるし、本もよく売れる。
現在のイランの人口は8000万弱だが、児童書だけでも年間出版点数は一万点を越え、うち半数が初版。この数字は日本の児童書新刊点数を若干上回っている。もちろん売れるから出版されるのだ。米国による経済制裁で疲弊していると言われるイランは、こういう所にお金をかける国なのである。
更に首都テヘランでは毎年恒例の国際ブックフェア(約10日間)が開催されているが、参加出版社は国内が2400以上、国外からは600以上。来場者数は400万人を超え、これはテヘラン人口の半分に相当する。どうなっているイラン。日本のアニメのコミケの比ではないぞ。そんな一大イベントであるので、会場はその辺の建物では到底間に合わず、この日のために巨大礼拝堂がビッグサイト風に改装されるという。イランを宗教戒律の厳しい国だと思っている皆さん、厳しい国が礼拝堂をこんな使い方すると思います? イラン国民は宗教よりも読書の方に価値を見出す人々なのだよ。知性崇拝の国なのだよ。

子どもの本に戻ると、インテリを重んじる風土と伝統工芸としてペルシャ絨毯や細密画を誇るイランのデザイン技術が、児童書の大量出版を後押ししている。それは展示を見れば判るが、絵がきれいで、そして上手い。色使いが上手い。ひと言で云って芸術性の高い絵本なのだ。中でも玉虫色の表現が際立っている。日本の絵本でこういう色使いは見ない。もっと大人向けの絵画やインテリア、高価な織物などにはあるけど、全然子供向けではないから、イランの絵本にこういう表現が多発しているということは、当地では子どもの頃からこういう作品に身近に触れながら感性を養っているということである。
展示場には、当地で出版されている日本の絵本のペルシャ語版も展示されていたが、絵がお粗末で恥ずかしい気分になった。日本ではよくある昔話の絵柄だが、お世辞にも芸術性が高いとは言えない。たかが子供用の本と思うから今まで疑問にも思わなかったが、こういう幼少教育が成人後の感性に響いてくるのである。
会期は7月21日までなので是非ご覧下さい。入場無料。玉虫色がちょっと判る無料リーフレットもあります。この図書館は建物自体が文化財で、今では高くて造れない明治・大正期の西洋建築。中にはカフェもあり、休憩にも使えます。

# by hikada789 | 2019-06-22 11:48 | 宇宙人の空飛ぶじゅうたん | Comments(0)
ご本人の許可を得て「あなたの山水画」を掲載します。ご協力ありがとうございます。
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1964年12月21日生 女性の山水画
甲 丙 甲
辰 子 辰
冬の山岳に巨木が二本そびえ、空には太陽、その下は海。
【解釈】
明朗な風景です。巨木のあなたは同じく巨木である父親と双璧をなし、山岳である配偶者および母親を従えて逞しくそびえています。しかし季節は冬なので、建材として活きるか、越冬するかで人生模様が違ってきます。冬の風景を温めている太陽は兄弟や子供で、彼らとの関係が鍵になります。
内面にいくつか矛盾を抱えているので、それらを自己整理することで星が回っていくでしょう。

# by hikada789 | 2019-06-19 20:48 | 宇宙人の鑑定実績 | Comments(0)
独自の視点と強気な発言でキワモノ扱いされている感もある哲学者の摘菜収が、以前自著の中で「激辛好きは頭が悪い」と豪語しているのを読んだ時、思わず笑ってしまいました。実は私もそう思っていたからです。しかし自分の中でこの説には根拠がなく、せいぜい身の回りの賢い面々には激辛好きは一人もいないことと、友人とは見做していない知合いの中に激辛好きがたまにいて、それらがいずれもお粗末な頭の持ち主であるといった経験則ぐらいのものでした。そのモヤモヤをこうもはっきりと明文化、しかも高い教養と知見を備えた人間(高潔とは言えないかもしれないが)が断言しているのは、実に清々しく痛快に思われたのです。聡明なる算命学余話の読者の皆さんは、勿論激辛好きではありませんよね。

摘菜氏がその時どういう根拠を並べていたかは忘れてしまいましたが、最近立て続けにその根拠となる科学的見解を耳にしました。要は、味覚における「辛さ」とは「痛さ」と同義であるので、激辛料理を食べると「痛み」を感じた脳がこれを和らげる緩和物質を出す。いわば脳内麻薬です。それが多幸感を生むため、激辛料理がやみつきになるというわけです。結論としては、辛い物好きはそもそも薬物依存の素質があるということ、過度の刺激による多幸感を欲するほど実生活がイケてない不幸な人であるということ、自力ではなく他力によって至福感を得ようとする人であるということ、こんなところです。これらを総合して、摘菜氏は「激辛好きは頭が悪い」と一刀両断したのでしょう。

算命学的に言い換えれば、幸せだけを求めて不幸を人生から完全に排除しようとする人は陰陽論が判っていないし、概ね利口な人というのは、急激な成功や一時的な上昇が幸せにとっての蓄積にはならないことに薄々気付いているし、他力よりも自力で獲得した幸せの方が遥かに堅実で価値が高いことも知っているからだ、ということになります。
首を縦に振っている皆さん、勿論激辛なんて食べませんよね。というのは、私の所に運勢鑑定を依頼される方の中に、たまに「自分の今後の人生をすべてコーディネイトしてくれ」と言ってくる人がいるからです。自分がやると失敗するかもしれないので、算命学で成功だけする完璧なロードマップを作ってくれ、自分はその通りに生きるから、というわけです。
こういう人には本当にガッカリさせられます。せっかく自然が与えてくれた自分の人生を自分で構築するチャンスを、みすみす他人に譲り渡して自分はその結果だけ欲しいというのですから。そんな他人任せで得られた成功が至福感を約束してくれると思ったら大間違いです。そんな成功はあなたの功績ではなく、他人の功績です。その功績によって他人の宿命の輝きが増すことはあっても、あなたの宿命は輝かないままくすぶって一生を終えるだけです。
あなた、激辛好きでしょう? 唐辛子が与えてくれる多幸感は違法薬物の効用と同じです。長続きしないどころか、心身を蝕んで老化を早めるだけです。激辛よりも、頭の良くなる青魚をもっと食べなさい。その方が幸せへの近道になります。

今回の余話は、守護神の続きです。丙火もこの冬で最終回です。守護神の記事は今までのところ人気のないテーマで、あまり読者が増えていません。算命学の技法を欲している少数の人しか購読していないということなのでしょう。それは言い換えれば、算命学の技法でなくても読むに値すると見做してくれている読者が多いということです。そうした読者を見込んで、上述のような発言をわざわざ紙面に残してみました。責任を持って発言している言葉なので、撤回はしません。読者の皆さんは勿論激辛など食べない人だ、という前提で執筆しております。

(この続きは「ブクログのパブー」及び「フォークN」に公開しました。副題は「守護神#12 丙×冬」です。「算命学余話 #R101」で検索の上、登録&水ようかん1パック分の料金をお願い致します。登録のみは無料です。なおパブーでの購読は2019年6月末で終了となります。7月以降はフォークNのみの販売を予定しておりますが、バックナンバーの再掲載には時間がかかると思われるので、お急ぎの方は終了前のパブーでお買い求め下さい。)

# by hikada789 | 2019-06-16 19:33 | 算命学の仕組 | Comments(1)
b0214800_22511141.jpgマルイ錦糸町店1Fに見慣れぬ顔つきのぬいぐるみが並んでいると思ったら、日本初上陸を謳ったロシア製ブランドのハンドメイド猫だった。ロシア猫といえばロシアンブルーだが、どうやらそれを模した色らしく(ほぼ灰色)、デフォルメもロシア的なので一見して猫だと判らない。タヌキかと思ったよ。白ネコバージョンもあったがこちらはまだ猫だとすぐ判る。一体一体異なる服を着せられて、インテリア用のおしゃれな箱入りのものもある。インスタ映えを狙ったデザインらしいが、結構強気なお値段だ。売れるのかな。画像は店頭でもらったチラシだが、興味のある方は「BUDI BASA」で検索下さい。マルイ錦糸町は7月までで、その後浅草に出店するらしい。
ロシア・フェス関連のご案内です。

(1)グレゴリー・セドフ ピッコロ・ヴァイオリンが歌い・踊る
宇宙人が以前から宣伝している、ピッコロ・ヴァイオリンの第一人者セドフ氏が出演する恒例コンサート。今回は合唱団とコラボする。6月18日(火)19時開演。オリンピック記念国立青少年センターカルチャー棟小ホール。当日券4,000円(全席自由)。

(2)ヴィルトゥオーゾ・アムール弦楽合奏団
桐朋学園大学学生有志賛助の無料コンサート。2017年ハバロフスクで創立という新しい楽団。演目は團伊玖磨、バッハ、ラフマニノフ他。7月13日(土)15時開演。両国の劇場シアターX(カイ)。

(3)エイフマン・バレエ
古典ではなく新作で勝負しているらしいバレエ団の公演。演目は「ロダン」7/18(木)~19(金)19時開演、「アンナ・カレーニナ」7/20(土)17時開演、21(日)14時開演。東京文化会館。D席6,000円~。

# by hikada789 | 2019-06-13 22:49 | ロシアの衝撃 | Comments(0)
最近の読書は不発続きだ。暑くなって読書もままならなくなる前に長編をと思い、珍しくドイツ文学など手にしてみた。トーマス・マン『魔の山』。昔から一度は読んでおきたいと思って期待したのだが、かなり外れた。いわゆる教養小説、若い主人公が成長していく物語なのだが、四十路の人間の読み物ではなかったな。もっと若い頃に読めば楽しめたのかもしれない。読書とはそういうもので、ほんのちょっとタイミングを逸しただけで、同じ作品であっても感銘を受けたり全く受けなかったりするものだと、中瀬ゆかり辺りが語っていた。まさにその通りで、宇宙人は『魔の山』のタイミングを著しく外したようだ。お蔭で苦痛な読書となった。
まず文体が合わない。ドイツ文学はそれこそ学生時代に皆が知っているような有名どころの中長編小説をいくつか読んだ記憶があるが、当時はそれほど違和感なかった。しかし年を食った今となっては、ドイツ語からの和訳という奴のリズムが全く合わない。しっくり来ない。だから読むのも遅くなる。訳者が悪いのではない。解説文も訳者が書いていたがそちらの文章は実に読みやすい、流麗な和文であったから、訳者の文章力のせいではなく、原文に問題があるのだ。或いはドイツ語そのものに。いや、これは宇宙人に限ったことであって、他の日本人も同様に違和感を覚えるかどうかは判らない。

昨今ではドイツ語で小説を発表してヒットしているという日本人女流作家が話題となって、その作品が店頭に並んでいるのを見るにつけ、どれ一冊くらい読んでみようかという気分になっていたのだが、今回の『魔の山』でウンザリしてしまい、既に及び腰である。或いは学生時代から20年を経て外国文学といえばロシア文学ばかり読んできた影響で、文章から得られるリズムがロシア語仕様になったせいなのかもしれない。ロシア語翻訳者の文章は翻訳者によってそれぞれ個性があるが、やはり原文がアレであるからそうそう大きな差にはならない。尤も、ロシア語翻訳などやる人種は洩れなく頭がロシア色なので、そもそも頭の作りが似通っていて、そんな人たちが文章を捻出すると結局似たようなリズムになるのかもしれない。その点『アナスタシア』シリーズなんかは文学作品ではないし、宇宙と自然からのメッセージをそのまま人類語に置き換えたような文体なので、リズムはロシア語とは多分関係なく超自然的である。あれはあれで病みつきになるけどね。

苦痛の魔の山を終えて今読んでいるのが、古川日出男『女たち三百人の裏切りの書』。文学賞を多数獲っている作家というので期待してみたが、この文体もだめだな。ぶつぶつ途切れるタイプだ。体言止めを多用して強い印象を狙った、舞台脚本調の、ゆっくり読ませるための文体なのだが、残念ながら宇宙人の好みではない。宇宙人の好みは佐藤亜紀のような華麗で猛烈な勢いのある文体なのだ。スピードがぐんぐん加速してクラッシュ=爆笑につながるようなタイプだよ。『女たち』はまだ読了していないが、評判は高いから余程のどんでん返しでも用意してくれているんだろうね。うう、苦しいが何とかして最後まで読もう。

読書の何が苦痛といって、登場人物の誰にも共感できず、魅力を感じることもないというのが一番の苦痛である。『魔の山』も俗物ばっかだったし、『女たち』も功名心で動いているし。かように不発なわが読書週間の中で唯一のヒットは、なんとBLである。『囀る鳥は羽ばたかない』第6巻を令和の初日から買いに行ったくらいツボにはまっている。まあ漫画への傾倒はそれほど長続きしないのが常だが、登場人物には大いに共感している。壊れた人間を扱っているからだ。宇宙人の頭は算命学的陰陽論で物事を分析する癖がついているが、この分析器にかけてもこの作品の歪んだ心理描写は辻褄が合うのであった。だからわが体内リズムにマッチして、心地よい音楽のように読み進められる。絵は上手いし会話やシーンも無駄がなくていいけど、がっつりBLなので興味を覚えた方はご注意下さい。

# by hikada789 | 2019-06-11 19:17 | 宇宙人の読書室 | Comments(0)