東部で戦闘が続くなか新しい大統領が就任したウクライナの情勢について、極東出身のジェーヴシキに鼻の下を伸ばしている宇宙人に意見を求められても困るのですが(Max Luxuryを検索したら「2億4千万の瞳」を歌っている動画が見つかり、頭の中がオークセンマン、オークセンマンなのだ)、テレビや新聞が語る型通りの、客観的というより米国寄りなニュースにいまいちピンと来ない土星裏読者のために、宇宙人が最近見聞きした佐藤優氏の見解をザクザクっとまとめるとこんな感じになります。
ウクライナの首都キエフで炎が上がったのは、浅田真央のトリプルアクセルの興奮冷めやらぬソチ五輪閉幕と同日だったから今年2月末です。この事件で国から逃げ出す破目になった前大統領の動物園付き豪邸がその後公開されたため、カネまみれの強欲な悪徳政治家に怒り骨髄に達した市民が正義の鉄槌を振り下ろしたのだと思われがちですが、実はそうではなかった。ロシアの大統領プーチンが「あのキエフの暴徒どもはならず者だから話し合いに応じないよ」と強硬な態度を示してその後クリミアを自国の領土にしてしまったのを、どさくさ紛れに領土をぶん捕った卑劣な行為と見做すのもこれまた正しくない。なぜならあのキエフの暴動の首謀者たちは本当にならず者だったからだ。
彼らはヨーロッパではもはや禁じられた印となっているナチのカギ十字を堂々と掲げて憚らず、暴動の模様は映像として世界に流れたため、目のいい人はすぐにマークを見咎めたし、何よりナチを恐怖する米国のユダヤ人が騒然となった。プーチンをこき下ろすことで自分の株を上げたいオバマがこのカギ十字暴徒をEU派ウクライナ人つまり正当な主権者と見做して支持を表明したことで、米国のユダヤ人の反発を招き、結果支持率をまた下げることになるのだが、確か日本のメディアはそんな事情は伝えていなかったように思う。私もカギ十字には気付かなかったし。
いずれにしてもプーチンが最初にならず者と呼んだのにはちゃんと根拠があったのだ。なのに西側諸国は(主に米国だが)ひとりプーチンを悪者にして暴徒から発したウクライナ暫定政権にさも正当性があるように宣伝したのである。カギ十字に気付かなかった私も、当時は何となくプーチンの言い分の方が当たっている気がしていたが、彼のシンプルで強硬な物の言い方は、確かに他国に覇権主義を疑われても仕方のないものだったかもしれない。ソ連時代のあの国のイメージを彷彿とさせるものがあったからね。尤も佐藤氏の見解ではプーチンの主張もまた正当とは認められないのだが、これは後で語るとして、その後トントン拍子にクリミアが住民投票しロシアへの編入を決め、あっという間に編入が完了したのはさすがプーチンといったところだ。
西側はあの住民投票の結果そのものが捏造との疑いをかけているが、私の妖怪アンテナも佐藤氏の分析も事実と見做してよかろうと云っている。それはクリミアがもともとロシアの領土であり、1954年つまりスターリンが死んだ翌年にフルシチョフが友好の証としてウクライナに贈呈したという歪んだ歴史があるからだ。ソ連崩壊後のロシア人がこのフルシチョフの行為を馬鹿げた軽挙と呼んで嘆いていたのを私は直に見て覚えているが、佐藤氏の分析によれば、スターリン死後の後継者争いでフルシチョフは当時のウクライナ勢力の力を借りること大だったので、その見返りだとしている。そうだよな、ただでやるほど共産党員はお人好しでないよ。勝手にプレゼントにされたクリミア住民は堪ったものではないが、当時はソ連として一緒くたの国だったから大した弊害はなかった。弊害になるのはソ連が崩壊してからなのだ。
ともあれクリミア住民の意志がロシア編入を望むことには信憑性があり、この点から私はクリミアの編入は是と考えているのだが、元外交官の佐藤氏は視点が高いのでこれもイカンという。なぜならこれを認めると戦後不動だった世界の国境線を今後は変えてもいいという前例を作ることになるからだという。つまり北方領土や尖閣をロシアや中国が今後はウチの領土にすると言い出した時に、正当性を主張するタネになってしまうからだ。
ウクライナに戻ると、気の毒なプーチンはその後「クリミア以外の土地に領土的野心はない、ただロシア系住民の安全を守るため」とロシア軍をウクライナ国境へ集めたが、これまた私の目には本当に言葉通りの意味しかない行為なのに、西側は、というより米国はプーチン悪玉説に拘るあまり「領土的野心があるのだ」と決めつけて、「ウクライナを併呑した暁には西側に軍を進めて果てはリスボン(ポルトガル)まで占領するつもりだ」とまで拡大解釈して騒いでいる。かような夢物語に対する佐藤氏の反応は「馬鹿かよ」というもの。繰り返しますが、いくら風貌が『ヤマト』のデスラー総統に似ているからといってプーチンは地球征服を目論む宇宙人ではなく、ロシアの軍隊は無尽蔵ではなく、ロシアの国家予算も限られている。フェイスブックでアラブの春が巻き起こるほどの昨今の世界状況で、一国が全世界を敵に回して勝てる現実があるわけないのである。そんな行為の先に国益があると本気で考える人間の頭の弱さを、佐藤氏はべらんめえ調で指摘する。そして米国の政策立案者がどうしてそんな頭の弱さを露呈するのかについての分析として、ソ連崩壊以降の米国の脅威がアラブやタリバンや中国に移ったため、それまでよく働いていた旧ソ連専門家をブレーンからリストラしてしまい、その結果お粗末な専門家に意見を仰ぐ破目に陥ったからだという。なるほどなのだ。
いま紛争中の東部ウクライナの住民の多くが自分たちもクリミアのようにロシアへの編入を望んでいるとしても、プーチンは彼らの土地をクリミアのようにかっさらったりはしていない。それは恐らく彼にとっては国益に反する行為なのだろう。彼がその気になればクリミアを見よ、あっという間に併呑してるわ。でもクリミアひとつとってみても、プーチンは一応法的手続きを踏んで編入させたのだ。住民投票の結果を待ったし、秒殺だったけどちゃんと自国の国会の承認を得てから手続きした。非常事態を盾に法律を無視したわけではなかった。ロシアはもはやソ連とは違うし、それ以前に当時とはもう時代が違うのである。いつまでも冷戦時代の尺度で相手を図るからリスボン説などというホラ話が湧いて出るのだ。
ええと、ウクライナですね。5月末の大統領選挙で選ばれたポロシェンコ氏の前身はお菓子企業の政商だそうです。肥えてて何となくそんな顔ですが、政商というのはちょうど私がロシアにいた頃流行っていた人種で、ソ連崩壊のどさくさ紛れに国営の巨大企業を手に入れた財界の大物のことです。1つの企業で国家歳入の何割かを占めるので政治に対する発言力があり、経済立て直しに喘ぐ当時のエリツィン政権を悩ませた。その後KGB出身のプーチン親分が政権を握るとサクサクっと掃除されて、ある者は投獄され、ある者は亡命し、最近亡命先で死んだりしたなあ。つまりロシアではこの種の人間はもうすっかり大人しくなってプーチンに仕えている過去の人なのに、ウクライナではソ連崩壊から20年以上経っても未だ健在、つまり全然進歩していないのだ。あのバカでかいロシアに比べれば小回りの利くサイズの国なのに、なぜ。
本日の結論。ウクライナは実にあこぎな国である。いや一般国民が悪いわけではなく、それどころか一般のウクライナ人は勤勉で控え目との評判が高いくらいですが、ソ連からの独立以降、いやもしかしたらクリミアと引換えにフルシチョフを書記長に推した頃から既に、政治上層部は芯まで腐っていたのかもしれない。ウクライナは今も昔もロシアの天然ガスに頼っているが、ソ連崩壊後も馴染みのよしみでEUに比べればずっと安い割引価格でロシアはガスを売ってくれている。それなのにウクライナは代金を何年も払っていないのだ。なぜなら国が貧乏だからではなく、政治家たちが動物園付き豪邸に住んでしまうからである。そしてさすがのロシアも頭にきて「今すぐ代金払って頂戴」と督促すると、ウクライナの政権は自国を通ってEUにつながるガスパイプラインのコックを捻り、EUに向かって「ロシアの言い分をきくとガスがそっちに行かなくなるよ」とうそぶき、EUを動揺させてロシアバッシングを促すのだ。ロシアの代金請求は全く正当なものなのに。そうしてロシアとEUの双方からカネをせびってせびってせびり倒したら自分も倒れてしまったのが前大統領なのである。何という悪逆非道なカツアゲ国家であろう。
繰り返すがウクライナ国民が悪いとは云わない。云わないが国としてやっていることは、佐藤氏曰く「戦前の所有を主張して船舶を差し押さえた国と同程度に」腐ってる。そんな中で一応は選挙で選ばれた政商ポロシェンコ氏はどんな立ち振る舞いをするであろうか。プーチンは彼を正当な交渉相手として認めたが、これは私の目には結構大人の態度に見えた。だってポロシェンコのあのお菓子な顔は、一見して借金を返すために身を粉にして緊縮財政に励むタイプとは思えないのだよ。結局最後にシワ寄せの来るのはウクライナ国民で、ロシアと同じく美人の産地であるかの国のジェーヴシキがまたぞろ錦糸町辺りで働くことになるのだ。誰か何とかしてやってくれなのだ。
ウクライナの首都キエフで炎が上がったのは、浅田真央のトリプルアクセルの興奮冷めやらぬソチ五輪閉幕と同日だったから今年2月末です。この事件で国から逃げ出す破目になった前大統領の動物園付き豪邸がその後公開されたため、カネまみれの強欲な悪徳政治家に怒り骨髄に達した市民が正義の鉄槌を振り下ろしたのだと思われがちですが、実はそうではなかった。ロシアの大統領プーチンが「あのキエフの暴徒どもはならず者だから話し合いに応じないよ」と強硬な態度を示してその後クリミアを自国の領土にしてしまったのを、どさくさ紛れに領土をぶん捕った卑劣な行為と見做すのもこれまた正しくない。なぜならあのキエフの暴動の首謀者たちは本当にならず者だったからだ。
彼らはヨーロッパではもはや禁じられた印となっているナチのカギ十字を堂々と掲げて憚らず、暴動の模様は映像として世界に流れたため、目のいい人はすぐにマークを見咎めたし、何よりナチを恐怖する米国のユダヤ人が騒然となった。プーチンをこき下ろすことで自分の株を上げたいオバマがこのカギ十字暴徒をEU派ウクライナ人つまり正当な主権者と見做して支持を表明したことで、米国のユダヤ人の反発を招き、結果支持率をまた下げることになるのだが、確か日本のメディアはそんな事情は伝えていなかったように思う。私もカギ十字には気付かなかったし。
いずれにしてもプーチンが最初にならず者と呼んだのにはちゃんと根拠があったのだ。なのに西側諸国は(主に米国だが)ひとりプーチンを悪者にして暴徒から発したウクライナ暫定政権にさも正当性があるように宣伝したのである。カギ十字に気付かなかった私も、当時は何となくプーチンの言い分の方が当たっている気がしていたが、彼のシンプルで強硬な物の言い方は、確かに他国に覇権主義を疑われても仕方のないものだったかもしれない。ソ連時代のあの国のイメージを彷彿とさせるものがあったからね。尤も佐藤氏の見解ではプーチンの主張もまた正当とは認められないのだが、これは後で語るとして、その後トントン拍子にクリミアが住民投票しロシアへの編入を決め、あっという間に編入が完了したのはさすがプーチンといったところだ。
西側はあの住民投票の結果そのものが捏造との疑いをかけているが、私の妖怪アンテナも佐藤氏の分析も事実と見做してよかろうと云っている。それはクリミアがもともとロシアの領土であり、1954年つまりスターリンが死んだ翌年にフルシチョフが友好の証としてウクライナに贈呈したという歪んだ歴史があるからだ。ソ連崩壊後のロシア人がこのフルシチョフの行為を馬鹿げた軽挙と呼んで嘆いていたのを私は直に見て覚えているが、佐藤氏の分析によれば、スターリン死後の後継者争いでフルシチョフは当時のウクライナ勢力の力を借りること大だったので、その見返りだとしている。そうだよな、ただでやるほど共産党員はお人好しでないよ。勝手にプレゼントにされたクリミア住民は堪ったものではないが、当時はソ連として一緒くたの国だったから大した弊害はなかった。弊害になるのはソ連が崩壊してからなのだ。
ともあれクリミア住民の意志がロシア編入を望むことには信憑性があり、この点から私はクリミアの編入は是と考えているのだが、元外交官の佐藤氏は視点が高いのでこれもイカンという。なぜならこれを認めると戦後不動だった世界の国境線を今後は変えてもいいという前例を作ることになるからだという。つまり北方領土や尖閣をロシアや中国が今後はウチの領土にすると言い出した時に、正当性を主張するタネになってしまうからだ。
ウクライナに戻ると、気の毒なプーチンはその後「クリミア以外の土地に領土的野心はない、ただロシア系住民の安全を守るため」とロシア軍をウクライナ国境へ集めたが、これまた私の目には本当に言葉通りの意味しかない行為なのに、西側は、というより米国はプーチン悪玉説に拘るあまり「領土的野心があるのだ」と決めつけて、「ウクライナを併呑した暁には西側に軍を進めて果てはリスボン(ポルトガル)まで占領するつもりだ」とまで拡大解釈して騒いでいる。かような夢物語に対する佐藤氏の反応は「馬鹿かよ」というもの。繰り返しますが、いくら風貌が『ヤマト』のデスラー総統に似ているからといってプーチンは地球征服を目論む宇宙人ではなく、ロシアの軍隊は無尽蔵ではなく、ロシアの国家予算も限られている。フェイスブックでアラブの春が巻き起こるほどの昨今の世界状況で、一国が全世界を敵に回して勝てる現実があるわけないのである。そんな行為の先に国益があると本気で考える人間の頭の弱さを、佐藤氏はべらんめえ調で指摘する。そして米国の政策立案者がどうしてそんな頭の弱さを露呈するのかについての分析として、ソ連崩壊以降の米国の脅威がアラブやタリバンや中国に移ったため、それまでよく働いていた旧ソ連専門家をブレーンからリストラしてしまい、その結果お粗末な専門家に意見を仰ぐ破目に陥ったからだという。なるほどなのだ。
いま紛争中の東部ウクライナの住民の多くが自分たちもクリミアのようにロシアへの編入を望んでいるとしても、プーチンは彼らの土地をクリミアのようにかっさらったりはしていない。それは恐らく彼にとっては国益に反する行為なのだろう。彼がその気になればクリミアを見よ、あっという間に併呑してるわ。でもクリミアひとつとってみても、プーチンは一応法的手続きを踏んで編入させたのだ。住民投票の結果を待ったし、秒殺だったけどちゃんと自国の国会の承認を得てから手続きした。非常事態を盾に法律を無視したわけではなかった。ロシアはもはやソ連とは違うし、それ以前に当時とはもう時代が違うのである。いつまでも冷戦時代の尺度で相手を図るからリスボン説などというホラ話が湧いて出るのだ。
ええと、ウクライナですね。5月末の大統領選挙で選ばれたポロシェンコ氏の前身はお菓子企業の政商だそうです。肥えてて何となくそんな顔ですが、政商というのはちょうど私がロシアにいた頃流行っていた人種で、ソ連崩壊のどさくさ紛れに国営の巨大企業を手に入れた財界の大物のことです。1つの企業で国家歳入の何割かを占めるので政治に対する発言力があり、経済立て直しに喘ぐ当時のエリツィン政権を悩ませた。その後KGB出身のプーチン親分が政権を握るとサクサクっと掃除されて、ある者は投獄され、ある者は亡命し、最近亡命先で死んだりしたなあ。つまりロシアではこの種の人間はもうすっかり大人しくなってプーチンに仕えている過去の人なのに、ウクライナではソ連崩壊から20年以上経っても未だ健在、つまり全然進歩していないのだ。あのバカでかいロシアに比べれば小回りの利くサイズの国なのに、なぜ。
本日の結論。ウクライナは実にあこぎな国である。いや一般国民が悪いわけではなく、それどころか一般のウクライナ人は勤勉で控え目との評判が高いくらいですが、ソ連からの独立以降、いやもしかしたらクリミアと引換えにフルシチョフを書記長に推した頃から既に、政治上層部は芯まで腐っていたのかもしれない。ウクライナは今も昔もロシアの天然ガスに頼っているが、ソ連崩壊後も馴染みのよしみでEUに比べればずっと安い割引価格でロシアはガスを売ってくれている。それなのにウクライナは代金を何年も払っていないのだ。なぜなら国が貧乏だからではなく、政治家たちが動物園付き豪邸に住んでしまうからである。そしてさすがのロシアも頭にきて「今すぐ代金払って頂戴」と督促すると、ウクライナの政権は自国を通ってEUにつながるガスパイプラインのコックを捻り、EUに向かって「ロシアの言い分をきくとガスがそっちに行かなくなるよ」とうそぶき、EUを動揺させてロシアバッシングを促すのだ。ロシアの代金請求は全く正当なものなのに。そうしてロシアとEUの双方からカネをせびってせびってせびり倒したら自分も倒れてしまったのが前大統領なのである。何という悪逆非道なカツアゲ国家であろう。
繰り返すがウクライナ国民が悪いとは云わない。云わないが国としてやっていることは、佐藤氏曰く「戦前の所有を主張して船舶を差し押さえた国と同程度に」腐ってる。そんな中で一応は選挙で選ばれた政商ポロシェンコ氏はどんな立ち振る舞いをするであろうか。プーチンは彼を正当な交渉相手として認めたが、これは私の目には結構大人の態度に見えた。だってポロシェンコのあのお菓子な顔は、一見して借金を返すために身を粉にして緊縮財政に励むタイプとは思えないのだよ。結局最後にシワ寄せの来るのはウクライナ国民で、ロシアと同じく美人の産地であるかの国のジェーヴシキがまたぞろ錦糸町辺りで働くことになるのだ。誰か何とかしてやってくれなのだ。
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by hikada789
| 2014-06-08 18:33
| ロシアの衝撃
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